1.霊山寺 〜 6.安楽寺

2003年2月15日(土) 1日目
明石海峡大橋
<写真1 明石海峡大橋>
・・・ 一番霊山寺へ ・・・

 2003年2月15日(土)朝8:43JR高徳線板東駅を降りた。この駅で降りたのは、地元の人らしき女性と二人だけ。
 駅前には客待ちのタクシー数台。通りがかりの人に一番霊山寺への道を聞いた。「すぐそこのつきあたりを左に曲がってずっと行くと郵便局があるからそこを右へ」と。
 郵便局から右へ曲がる道の左右には石碑があり「四国第一番」「霊場霊山寺」と彫られていた<写真2>。


 昨日2月14日(金)は、JR舞子駅から高速バスで、明石海峡大橋<写真1>や大鳴門橋を通って徳島に入り、駅南のレストランでミックスフライ定食1039円を食べたあと、サミットプラザのカプセルルームに3500円で宿泊した。朝食はサービスだった。


 8:55霊山寺山門前到着<写真3>。山門の左手にある門前一番街でお遍路用品を購入した。金剛杖1000円、白衣2500円、納経帳2000円、納札100円の計5600円。予定通りである。


 早速、衣装を整え、山門をくぐった。入るとすぐ池があり、橋が架けてあった。教え通り杖はつかない。正面に本堂<写真4>があった。作法がわからなかったが、納札に一礼し、箱に入れ、とりあえず手を合わせた。


 本堂内には納経所があった。大師堂に先に行くのが順序だったと記憶していたが、靴を脱ぎ中へ入った。ここにもお遍路用品が置いてあった。納経帳を差し出す。「はい」と言って書いて下さった。300円を渡し納経帳を受け取った。
 ここで門前一番街で品切れだったへんろみち保存協力会編の「四国遍路ひとり歩き同行二人」を購入。税込3675円。
 この寺のどこかに歩き遍路用の出発名簿があるはずだが、どこかわからない。本当に最後まで行ける確信はないので聞けなかった。


 納経所を出て本堂からの階段でキャリアカーを降ろそうとされているご老人がおられた。手助けを申し出たが、自分でやりたいと丁重に断られた。
 次は大師堂<写真5>へ。本堂と同じようにしたが、作法に不安がある。門前一番街に戻って経本300円を追加購入した。お参りの仕方も説明してもらった。

    
1霊山寺
石碑
<写真2 石碑>
霊山寺山門前
<写真3 霊山寺山門前>
霊山寺本堂
<写真4 霊山寺本堂>
霊山寺大師堂
<写真5 霊山寺大師堂>
  
・・・ 二番極楽寺へ 1.2km ・・・

 霊山寺を9:35出発。多くの車が往来する県道を西へ、二番極楽寺へ向かった。白衣が気恥ずかしい。
 9:48極楽寺到着。山門をくぐり、長命杉<写真6>を見て水屋で口をすすいだ。霊山寺で水屋に行くのを忘れてしまっていたことに気がついた。


 本堂、大師堂と霊山寺と同じようにまわり納経所へ。書いてもらうのを待っていると、後ろから「お寿司をつくったのですが・・・」と声を掛けられた。お接待かと思ったが、お寺の方のようで「この先、食べるところないですよ」と教えて頂いた。しかし、まあなんとかなるだろうと思い、極楽寺を10:00に出発した。

   
2極楽寺
長命杉
<写真6 長命杉>
 
金泉寺へ
<写真7 金泉寺へ>
・・・ 三番金泉寺へ 2.7km 計3.9km ・・・

 極楽寺を出てすぐ、車は通れないお墓の中の道を通った。いかにもへんろ道らしくうれしかったが、まもなくアスファルトの道と合流。民家が立ち並んでいる道を西へ進んだ。三番金泉寺の手前で土の道<写真7>を通った。


 山門をくぐらなかったので一旦、山門<写真8>へ向かった。10:34到着。お寺の境内には6軒ほど屋台が出ていた。放送のマイクの音も大きく、人が多い。水屋で口をすすいだあと、本堂、大師堂、納経所と足を運び、10:50出発。四番大日寺へ向かった。

   3金泉寺
金泉寺山門
<写真8 金泉寺山門>
 
・・・ 四番大日寺へ 5.0km 計8.9km ・・・

 へんろ道は、JR高徳線の踏切を渡り西へ向かっていた。徳島自動車道と交差するあたりに短大があったが、人影はない。ここから畑の土手を越え土の道となった。
 11:25質素なお堂<写真9>に到着。ここには歩き遍路用のノートが置いていた。霊山寺では書けなかったので、ここで出発記録を書いた。


 しばらく進むと、へんろ道は左右に分かれていた。順序通り、四番大日寺に向かう右への道を進んだ。沿道の梅、満開近し<写真10>であった。
 向こうから歩きのお遍路さんがやって来られた。歩きの人と出会ったのは、これが初めてである。「こんにちは」と山での挨拶をこちらからした。向こうも同じ言葉を返してくれた。


 12:05四番大日寺に到着。広い駐車場があるが、テント禁止としてあった。静かなお寺で他に誰もいない。
 ここまで人が多くて、出しそびれていたが、本堂<写真11>で、経本を取り出し、門前一番街で教えてもらった通り声を出して読んでみた。初めてなのでひらがなを目で追いながらである。意味はよくわからないが、やってみた。大師堂でも同じようにやった。
 やってみてよかったと思った。


 納経所へ行くと女性二人が並んで座っておられた。納経帳を右手で持っていたので右側の方に差し出した。すると左側の方から「すいませんと言わなくていいですよ」と声をかけられた。自分では意識していなかったが、どうやら「すいません」と言ったらしい。
 大日寺出発前トイレへ行った。教え通り白衣は脱いだ。


 山門を出て来た道を引き返し、12:25五番地蔵寺に向かった。山門を出てすぐのところで、これから大日寺に向かう三人グループの歩きの方とすれ違った。ここでも「こんにちは」と山での挨拶を交わした。

  
4大日寺
質素なお堂
<写真9 質素なお堂>
沿道の梅
<写真10 沿道の梅>
大日寺本堂
<写真11 大日寺本堂>
 
地蔵寺の大イチョウ
<写真12 地蔵寺の大イチョウ>
・・・ 五番地蔵寺へ 2.0km 計10.9km ・・・

 へんろ道は南へ向かっていた。おなかがすいてきたが、本当にコンビニひとつない。歩いているうち、12:50五番地蔵寺到着した。
 大きなイチョウ<写真12>のある広い境内には、何人かの人がおられた。順序通りまわり、最後の納経所を出たところで声をかけられた。地元新聞社の記者カメラマン氏だった。


 地元新聞の夕刊に春遍路の特集を載せるので、その写真のモデルになって欲しいという申し出だった。彼のいう撮影場所は、奥の院に向かう梅が咲いている石畳の参道だった。下見の時に撮影し、白黒でプリントアウトしたものを見せ、イメージを語られた。彼は、あともう少し人数が欲しいのでこれから探しに行くと言われた。10分ほどで戻って来られたが、「いま納経所にいるのでもう少し待って下さい」と言われた。5分ほどして7人そろったところでグループに分かれ、カメラ目線にならないよう、自然に楽しそうに歩いて下さいと言われ、2回歩いた。こだわりの仕事をされる方だと感心した。


 夕方、告げておいた携帯に、撮った写真<写真13>が採用されることになったと連絡が入った。彼がされた仕事が認められて、撮られた自分もうれしかった。


 注!写真13は、記者カメラマン氏よりメールで頂いたものです。

  5地蔵寺
春遍路
<写真13 春遍路>
 
・・・ 六番安楽寺へ 5.3km 合計16.2km ・・・

 13:35地蔵寺を出発。へんろ道は県道の北側を並走していた。県道にスーパー<写真14>があったのでここに立ち寄り、パン2個とお茶を購入376円し、そこで食べた。昼食後13:50に出発。


 今日は安楽寺に宿泊予約しているので最後の歩きであった。平地をこんなに歩いたのは久しぶりだったので足が痛くなってきていた。


 15:00安楽寺<写真15>到着。口をすすぎ、本堂、大師堂、納経所とまわった。まだ時刻が早いのでもっと行けそうだったが、15:25宿坊の玄関で靴を脱ぎ、中の方に声をかけた。

  6安楽寺
マルジョウスーパー
<写真14 マルジョウスーパー>
安楽寺山門
<写真15 安楽寺山門>
 
宿坊の部屋
<写真16 宿坊の部屋>
・・・ 安楽寺の宿坊にて ・・・

 この日の一番乗りだったようで、前払い6500円を支払っている間に、建物内の電灯をつけたりされた。そのあと部屋<写真16>に案内された。部屋は2階の14号室。階段を上がってすぐの部屋だった。
 部屋にはテレビやエアコン、湯茶とお菓子のセットもあった。ただし、浴衣やタオル、歯ブラシはなかった(有料ならある)。

 部屋で地図を見たり、お茶を飲んだり、お菓子を食べたりしていると、下からお寺の方が上がってこられ「お湯が入ったのでどうぞ」といわれた。今回ここに泊まることにしたのは、温泉の大きなお風呂があるからである。
 タオルを手に、一人ゆっくりと1時間ほど温泉を楽しんだ。部屋に戻ってテレビをつけ、エアコンの設定温度を24℃から20℃に下げた。布団を敷き、横になったらいつの間にか寝てしまった。

 18:00前、夕食の準備ができたとの放送が入った。食事の場所に行ってみると今日の宿泊客は、団体が25名、個人が3+3+2+1=9名の計34名だった。
 食前のことば「一粒の米にも万人の苦労がかけられています。一滴の水にも天地の恵みがかけられています。ありがたくいただきます。」と唱和してから頂いた。
 宿坊であることや一泊二食で6500円であることを考えると想像以上に豪華な夕食だった。

 となりに座られた三人連れ男性の固形燃料の火が紙の鍋を焦がし汁が漏れてしまっていた。「カミに見放された〜」と言われたので、ここはお寺ですからいいじゃないですかと言おうとしたら、続けて「まぁ寺だからいいかぁ」と一人納得されていた。
 これをきっかけに話ができ、聞けば、八王子在住で今回、飛行機でやって来て、タクシーでまわられているとのこと。今回でお遍路は3週目だという。納経帳には墨字の上に朱印が3つ押されていた。

 食事のあと19:00から本堂<写真17>でのお勤めに参加した。般若心経を唱えたあと、明治時代のお遍路、中務茂兵衛氏の話を聞いたりした。
 お勤めが終わり、部屋に一旦戻ったあと、寝る前にもう一度ゆっくりと温泉につかり、雨の音を聞きながら22:30頃就寝した。
安楽寺本堂内
<写真17 安楽寺本堂内>
 
2003.2.14(金)の会計 金額 2003.2.15(土)の会計 金額
京阪バス 醍醐新町→山科 210円 JR乗車券 徳島→板東 260円
JR乗車券 山科→舞子 1620円 金剛杖 1000円
高速バス 舞子→徳島 2900円 白衣 2500円
缶コーヒー 120円 納経帳 2000円
ミックスフライ定食 1039円 納札 100円
サミットプラザ宿泊代 3500円 四国遍路ひとり歩き同行二人 3675円
計  9389円 経本 300円
ファンタグレープ 100円
昼食代 376円
納経料6寺 1800円
安楽寺宿坊宿泊代 6500円
リンゴジュース 120円
計  18731円
合計  28120円
 
★ 2日目のページに進む click ! ★

2003年2月21日 記


           
お遍路記録へ戻る TOPへ戻る