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小学校の空き教室が福祉施設に!?

〜新しい試み〜

 現在の日本では,高齢化が急速に進行しています。その一方で,子供の数が減る,「少子化」もまた進行しています。ここ最近の出生率は1.39にまで減少し,子供の数は少なくなる一方です。
 そんな状況もあり,全国の小学校では,生徒の数が減ったために使われないで放置される教室が増えてきました。こういった「空き教室」を改造して,増えるお年寄りのために使おうという試みが,いま,行われています。

 1995年4月,京都府の宇治市立小倉小学校で,全国で初めて小学校の空き教室が,高齢者のデイサービスセンターに転用されました。お年寄りが昼間利用し,健康チェックをうけ,入浴やレクリエーション,食事などを楽しむのがデイサービス。デイサービスセンターは,人気の福祉施設で利用者が殺到しています。
 このデイサービスセンターを取り入れた小倉小学校では,お年寄りと小学生,それに隣接する市立小倉双葉園保育所の園児とのふれあいが続いています。お年寄りは運動会などの学校行事に参加し,子供はデイサービスセンターに訪問するというように,相互に交流しあっています。
 ここでは,普通の老人福祉施設と違って,小学校と隣接していることもあるので,お年寄り,子供の両方ともに,良い効果があることが期待されています。お年寄りは,元気な子供の姿や声を見聞きして,元気が出てきます。また,子供たちは,お年寄りと触れ合い,その柔かさ,暖かさを感じ,学ぶという,生きた福祉教育の効果があります。

 今の日本は核家族化が進み,子供たちとお年寄りが一緒に過ごす機会が少なくなってきています。それだけに,こうした触れ合いは,お年寄りにとっても,子供たちにとっても,かけがえのない交流の場になっているようです。

〜縦割り行政の壁〜

 空き教室を福祉施設に転用することは,子供とお年寄りの交流ができる点で大きな効果があるといえます。しかも,都市部の便利な地域にはなかなか福祉施設を建てる用地が確保できないものですが,福祉施設の用地が住み慣れた地域に見つかるという点で,この取り組みは大きな利点を持っています。また,学校の教室を改造して転用するので,福祉施設をまるまる1件建てるよりも,はるかに安い費用でつくれることも利点の一つといえます。

 しかし,この素晴らしい取り組みも,文部省と厚生省の縦割り行政などが壁となり,全国的には普及していません。小学校を管轄するのは文部省,福祉施設を管轄するのが厚生省だからです。
 かつては,学校の空き教室を老人福祉施設に転用することは,「教育施設の目的外使用にあたる」として,申請書を提出して,文部大臣の事前承認が得る必要がありました。しかし,最近は規制緩和や地方分権の動きを受け,手続きが簡素化されてきています。ですが,さらに空き教室の福祉施設への転用を普及させるためには,もっと行政のあり方を変える必要があります。

〜老人福祉と福祉教育は車の両輪!〜

 「ぼけたり,寝たきりになっても,住み慣れた地域で家族や知り合いに囲まれて暮らしたい」こんな声をお年寄りからよく聞かされます。一人暮らしや老夫婦の世帯が増え,人生の最後まで自宅で暮らすことが難しい今日,「住み慣れた地域で老いたい」という声は,お年寄りの切実な願いです。
 また,核家族化が進み,お年寄りと身近に接したことのない子供が増えています。ドイツの教育者シュタイナーは,「健全な人格形成のためには,子供の教育の場に,お年寄りは欠くことができない」と述べています。さらに,大人がお年寄りを大切にする後ろ姿を,子供にみせることが,最高の福祉教育です。
 お年寄りのためにも,子供のためにも,こういった声に答えて,住み慣れた地域の小学校に,福祉施設を取り入れていくことは,今後とも重要なことであるといえるでしょう。

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