グループホームの普及を目指してーこのままでは グループホーム は増えないーやまのい高齢社会研究所 山井和則 |
◆在宅サービスの中のグループホーム介護保険で受けられるサービスは、大きく分けると「施設」と「在宅」の2パターンがあります。 ただし、在宅サービスには2つだけ例外があります 「痴呆対応型共同生活介護」(グループホーム)で介護を受ける場合と 施設サービスは、要介護認定で「要介護度1」〜「要介護度5」の「要介護」という判定をされなければ受けることが出来ません。 これと同様なのが「グループホーム」(痴呆対応型共同生活介護)で、これは痴呆ケアの切り札、あるいは、痴呆症介護サービスの革命と呼ばれています。 ◆個室と生活 グループホームと他の施設ケアの大きな違いの1つは「個室」です。 ◆ぼけても普通に生きられる! グループホームでは、家庭的な雰囲気の中で、職員の助けを借りながら個人の興味や能力に応じて、料理や掃除などをします。 ◆今後の普及が期待されるグループホーム現在、グループホームは、厚生省の補助金を利用して開設・運営をしているところや、個人で頑張って運営しているところを含めても、100カ所あまりしかありません。 「保険あって、グループホームなし」という状況にならないためにも、行政に対して、市民が声を挙げていくことが大切です。 さる八月、介護保険の介護報酬の仮単価が発表されましたが、グループホームは23.6万円で、特別養護老人ホーム(32.5万円)、老人保健施設(34.5万円)、療養型病床群(43.1万円)に比べ安すぎます。 グループホームは小規模で個室。 ◆グループホームの介護報酬は低すぎる 12月16日の新聞報道によれば、厚生省は2004年度までにグループホームを3200か所、18万3000人分整備するという。 厚生省の努力はわかりますが、残念ながら月25万円ではあまり増えないでしょう。 まず、この報酬では3200か所にも増えません。採算がなりたちませんから。 次に、150万人も日本に痴呆性老人がいるのに3200か所1万8000人分。 本来、小規模で個室で手厚いケアだから、グループホームは高い介護報酬になって当然なのに、療養型の痴呆病棟が月43万で、グループホームが25万では、いくらグループホームが在宅サービスであることを差し引いても低すぎます。 この低い介護報酬には矛盾があります。 ◆中学校区に1つ 大きな法人が複合施設でグループホームをやってくれるのが一番トラブルもなく安心という面もあります。 日本では中学校の数がほぼ1万、小学校区の数が、文部省の学校調査では二万四千二百九十五といいます。 これくらいの数にするには、介護報酬をもっとあげ、単独型にも建設補助を出し、併設型だけでなく併設型も増えやすいゆおうにせねばならなりません。 ある福祉先進都市の市長も「介護保険のサービスの中でもっとも採算が成り立たないのがグループホームです」と言っており、この言葉に異論を挟む人はいないだろう。 21世紀の介護の大きなテーマは痴呆である。 このままでは、単独型のグループホームはほとんど増えないし、併設型も3200にはならないでしょう。 グループホームが増えるような施策を望みたいと思います。 山井 和則(やまのい・かずのり) 99/12/17 |