小宮英美さんの講演会の印象記〜読者から〜

      「痴呆性高齢者ケア
        〜グループホームで立ち直る人々〜」

 このホームページにも紹介された、NHKのディレクター小宮英美さんの講演を聞きに、12月18日の土曜日、地理不案内の大阪に出かけていった。  

さて、・・・。   

 小宮さんの講師ぶりは、気さくなこと型破りと言ってよい。
なにしろ聴衆にビデオを見せる時には、講演会主催者側のスタッフと見違えるほどこまめに音量調節に走る。終われば終わったで自ら率先して窓辺の遮光シャッターを開けるなど、テレビ撮影時の行動が彷彿するようで、その飾り気のなさに好感度が、最初からあがっての登壇だった。

 話ぶりも同様で、たとえ話をするにも、さも自分が酔っ払った体験のように話す中から、痴呆への理解を自然に体感させてくれる。
 グループホーム1年間の密着取材で、長期間、観察されて「痴呆という病気」の推移の紹介は、洞察力にとみ、あふれるような温かさと、将来指針の確かさは、誰よりも上回って深く、かつ広い見通しがあるように感じた。

 NHKのディレクターという職種を、私はあまり知らない。
が、おそらく企画立案、交渉、現場への配慮、集約・切り捨ての決断、放送の事業化、あとを濁さない最大有効な事後処理、などを一人でこなしておられるのだろう。
 そのつちかわれた社会性の高い視点から見据えられた「痴呆性高齢者ケア〜グループホームで立ち直る人々〜」と題されたこの講演は、政策的にも大変密度の高いものと思った。

 小宮英美さんは立場と、人柄とから、友人も多いようだが、隣の人への何気ない気配りをみて、この講演、そして「痴呆性高齢者ケア」〜グループホームで立ち直る人々〜(中公新書)が書けたのだなと、納得できた気がする。
                           (HP読者M.T様より)                   
                    
                               
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