.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:.あ便.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 


 先日、私の講演を聞いてくださった女性の方から、相談の手紙が来た。  

 私は講演の際には、事務所の電話、住所、メールアドレスなどを常に資料の中に入れてお渡ししています。そして、

「介護などでお困りの時にはお気軽にご連絡ください。難しい相談には乗れませんが、簡単な相談にはのれますし、難しい相談の場合は適切な窓口を紹介します」と言っている。 

 あまり連絡は来ないが、それでも、「困ってるんです」と連絡がある場合は時々ある。

正直言って、不勉強な部分も多く、私も忙しいので、うちの事務所のボランティア・岡本さんは、病院の相談員を40年間されていた方なので、岡本さんに教えてもらいながら、可能な範囲で情報提供や相談にのることにしている。 

 これは困っている人の役に立つというだけでなく、自分の勉強である。

研究者は評論家であってはならない。実際のケースに本当に役立てるのか、自分が試され、制度の問題点も学ばされる。 

 今回の相談は、90歳のお父さんが脳梗塞で倒れ、半身麻痺。入院中だが、そこも退院を迫られている。

柔道三段で今までは病気一つしたことのなかったお父さんは「死にたい。死にたい!」と叫んでいるそうだ。

 相談は、よい病院を紹介してほしい、ということ。

「病院か?」と岡本さんはつぶやいた。  

「療養型病床(老人病院)」か「老人保健施設」か「特別養護老人ホーム」か、医療を必要とすれば「療養型病床」だが、「特別養護老人ホーム」のほうが居心地はよい。

 本当は「特別養護老人ホーム」がよいのだが「特別養護老人ホーム」が満員なので、「療養型病床」に入らざるを得ない場合が多い。

これが日本の問題です。こんな問題を介護保険で解決せねばならない。

 医療が必要な人は「療養型病床」に、「特別養護老人ホーム」でよい人は「特別養護老人ホーム」にと、ニーズによって施設を選べるようにすることが「介護保険」のねらいだ。

それを実現するには、保険以外に公費(税金)で、「特別養護老人ホーム」を増やすための、建設予算を大幅に増やすことが必要。そうでなければ、いつまでたっても「特別養護老人ホーム」は待機者の列で、選べない。

「よい施設は満員で入れないが、悪い評判の悪い施設は空いてるよ」という情けない状況になるだろう。 

 私は、「いい加減な特別養護老人ホームには、入居者が集まらず倒産する」時代が来なければ「高齢者福祉」はよくならないと思う。

 お便りを頂いて、感じたことを書きました。ご意見あればお聞かせください。

2000年3月29日

                yamanoi@wao.or.jp  やまのい和則  拝

 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:..:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:..:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 

〒610−0101 京都府城陽市平川茶屋裏58−1−2F

TEL.0774−54−0703 FAX.0774−54−0705

 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:..:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:..:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 

  目次へ戻る 大きい目次へ戻る