99/10/24・介護保険講演

 10月24日は午前、午後と二回の講演。
 このホームページを読んでいる方は、
「よくそんな同じ話で毎日講演しているなあ」とあきれられるかもしれないが、
 介護保険の研究者としては、日々、さまざまな年齢層の、さまざまな職種の方と接して、介護保険を説明し、質問を受けることはとてもいい生の勉強になる。
介護保険を当初から推進した人間の一人として、皆さんの声なき声を聞き、介護保険の問題点を改善することが私の責務だと思っている。
                  
やまのい和則 99/10/24・pm7

 

A M・八 幡 町内会

 今日の朝は、八幡市男山の町内会。30名の出席。
  • 質問は、「生活保護の場合、保険料は?」
  • 「父母が老人ホームに入っている。父は徘徊もあり、要介護3くらいかと思うが、母は、ベビーカーを押して歩いており、要支援かも。母だけ退所しても、一人暮らしは無理。どうなるのか」
  • 「八幡市のヘルパーは足るのか」
  • 「老人ホームはどうやって利用者を選ぶのか。議員に頼んだり、お金を積んだ人が早く入れるようになったら困る」

    などという具体的なもの。返答に困るものも多かった。

 その後、老人ホーム「ひまわり園」に立ち寄り、仲良しの芦田さんを訪問。芦田さんは80歳過ぎで、足腰が弱り、口が達者なおばあさん。職員さんに
 「芦田さんは、要支援になりませんか?」と心配して尋ねると、
 「何とか要介護1にはなると思います」とのこと。でも、
 「要介護1なら施設にとっては困るでしょう」と言うと、
 「要介護3くらいでないと、介護報酬が低いので・・・」とのこと。

 芦田さんに会って
 「要介護1でよかったね」と言うと、
 「なんのこっちゃ。介護保険のことなんか、私はなんもわからんわ」とのこと。
 「芦田さん、あまり元気すぎたら、施設を出ないかんのや。でも、芦田さんは大丈夫や」と私。

 30分ほどお話し、別れ際に
 「お元気で」と言ったが、
 「あまり、リハビリしすぎて元気になっても困るなあ」と言うと、横にいた寮母さんが
 「そうですねえ。あんまり元気になられると出てもらわないとダメですからねえ。なんかこんなの変ですねえ。おかしな制度ですねえ」と首をかしげた。
 「そうですねえ」と私もうなずいたが、介護保険を推進してきた人間の一人として責任を感じた。

 今日、ひまわり園を訪問したのは、万が一、達者な芦田さんが要支援で、ひまわり園を出なければならないとしたら、介護保険を推進した人間として、私は何と言って芦田さんにお詫びを言おうか、と思ったからだ。
 「あんた、なんていう制度をつくってくれたんや」と芦田さんから怒鳴られそうだ。

 芦田さんには、「ほどほどに元気でね」と言い残して、別れた。

 

P M ・全 逓
 午後は、全逓という郵便局の労働組合。30人。
 男性ばかり。ここでも質問が多かった。一番参ったのは、
  • 「国民年金が月五万の人に、一割負担で多少軽減があっても2万などは払えない」という質問。
     
    確かに、介護保険は中所得者には有利で、低所得者に厳しい。これは、何とかせねばならない。

 

感謝

今日は、午前と午後で40冊本「介護ハンドブック」が売れた。今日でめでたくこのホームページも1000人を突破した。1万人に向かって次は頑張りたい。そして、何よりもこのホームページをここまで運営して下さっているボランティアの福井恵子さんと中澤宗康君に心から感謝します。
                   やまのい和則 99/10/24・pm7


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