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スウェーデン過疎地の報告
独居老人、自治体で介護

 スウェーデンは福祉先進国といわれていますが、紹介されているのは、実はほとんどが都市部です。いったい、都市部以外の地域での福祉は、どのようななされているのでしょうか。日本の現状と重ね合わせながら、スウェーデンの現代社会をのぞいてみましょう。

日本の過疎地
 先日、東北のある豪雪地帯を訪れました。過疎が進んで、65歳以上の高齢者人口は45%にもなります。ヨネさん(85歳)は東京からUターンしてきたばかりのお年寄りです。その前は、一人暮らしが不安になって、東京の長男の家に暮らしていたのが3ヶ月間。いわゆる「呼び寄せ老人」でした。
 「東京じゃあ、行くとこもねえし、つまんなくて帰ってきた。この村が一番」とヨネさんは笑います。しかし、ヨネさんの家は村の中心部から車で45分。介護が必要になった時にはどうするか、がヨネさんの最大の不安です。
スウェーデンの過疎地
 数年前、スウェーデン北部の過疎地を訪れました。結論からいえば、スウェーデンには「呼び寄せ老人」に当たる言葉はありませんでした。どんな過疎地でもホームヘルパーが活躍しており、年老いても、一人暮らしができるからです。
 北極圏に近いストルーマン市は、東京都、神奈川県、埼玉県をあわせた面積を持っています。1万人規模の自治体を目指した市町村合併の結果、人口はようやく7700人となりましたが、こんなに面積の広い自治体になってしまいました。ここの高齢化率は23%でスウェーデンの全国平均より高いです。
 「車での走行距離は、1ヶ月で1000km。それでも毎日3回の介護を受けている高齢者もいます」と話すのは、ホームヘルパーのマレーネさん。彼女が担当するストルーマン市のグランチャン集落(人口180人)では、2人のヘルパーが7人のお年寄りを介護しています。
 「夜中にトイレに行く途中で転んだお年寄りを翌朝、床の上で発見したこともあります。夜間のホームヘルプがあればいいのですが」とマレーネさんは残念そう。スウェーデンの都市部では、夜間のホームヘルプが普及していますが、ここにはありません。1メートルの積雪と零下35度の真夜中に、車を走らせることは危険だからです。
 この集落から、市役所の社会福祉課までは150kmもあります。ですから、マレーネさんはお年寄りの家の鍵を預かっており、緊急の時の対応はほとんど彼女に任されています。

 グンさん(81歳)は目が不自由で、部屋の中でも杖がないと歩けませんが、1人暮らしをしています。息子家族は首都ストックホルムに住んでいます。ヘルパーのマレーネさんが週2回訪問し、グンさんの入浴や買い物を手伝っています。「こんな田舎でも、何かあればヘルパーがきてくれるから安心。都会で息子と同居するなんて考えたこともありません。ここが一番」とグンさんは話してくれました。

どこに差があるか

 スウェーデンでは、1960年代に高齢化社会に突入して以来、市民に身近な市町村のような自治体が財源と権限を持った、身近なところからの高齢者福祉の充実に努めています。その実現のため、2500市町村を286市町村に合併し、自治体の基盤を強化しました。その結果が上で述べたような、「過疎地のお年寄りでも一人暮らしができる」という事実に現れています。
 一方、日本の場合はどうでしょう。「呼び寄せ」という家族の自助努力だけで、過疎地の高齢化問題全てを解決することが出来るでしょうか。過疎地域で安心して一人暮らしができるというようなことが、日本全体で見受けられる状況には未だに至っていません。ですから、スウェーデンのように市町村合併という例も含めて、身近な自治体がいかに福祉の主体になれるかが今、問われているように思います。

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