。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆ やまのい和則の 「軽老の国」から「敬老の国」へ - Yamanoi Kazunori Mail Magazine - 第87号(2000/12/28) 。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆ メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。 今日は12月28日木曜日。 今年最後の日帰りの新幹線。東京に向かいながらメールマガジンを 書きはじめました。 今日のメールマガジンも長くなりそうですので、お許しください。 トピックは、精神病院「朝倉病院」訪問調査、グループホーム、 バラマキ公共事業の利益誘導政治の改革などです。 もう今年のメールマガジンは、これで最後かもしれないと思うと 書くことが一杯あります。 しかし、まだもう一通くらいは年内に書きたいと思っています。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ まず、ここ一週間、京都事務所は、年末の「やまのいニュース」 の発送作業と年末の会計処理で大忙し。 毎日10人以上のボランティアの方々に来て頂いていますが、まだ まだ終わりません(29日には発送できそうです)。 ☆ ☆ ☆ 少し愚痴になりますが、 「お金をかけない政治を目指せ!」とよく言われますが、バリバリ と仕事をするには、事務所の仕事量は莫大なものがあります。 少ないスタッフで、多くのボランティアさんに支えられている私の 事務所ですが、スタッフもボランティアさんもみんな過労です。 私が「あれもやろう」「これもやろう」と仕事を増やしすぎるから、 みんなに迷惑をかけていると反省しています。 福祉を良くするために、私がどんどん仕事を拡大させる。 すると、ますますスタッフやボランティアさんに無理をお願いして しまう。心苦しい限りです。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 25日月曜日 埼玉県の朝倉病院(精神病院)に調査に行きました。 26日の朝日新聞の一面トップ記事で報道された病院です。 ☆ ☆ ☆ 民主党は、このたび「朝倉病院問題調査チーム」を発足させ、 代表に精神科医の水島広子衆議院議員、事務局長に私がなり、 この問題に取り組んでいます。 25日の調査には、国会議員は、細川律夫衆議院議員、 桜井充参議院議員、武正公一衆議院議員が参加。 石毛えい子議員、朝日俊弘議員、今井澄議員、上田清司議員などは、 希望しておられましたが、日程調整がつかず欠席。 ☆ ☆ ☆ 朝11時から2時間埼玉県庁でヒヤリング。 午後2時から5時まで、病院視察。 この問題は、 精神保健指定医がいなかったのに身体拘束(抑制、ヒモなどで患者 さんをベッドに縛る)を多く行った、 食欲がある患者さんにも過剰なIVH(中心静脈栄養)を行って死期 を早めたなどの疑いがもたれています。 当日の調査の詳しくは、このメールマガジンでは報告できませんが、 上記の問題以外に、下記のような問題点を私は感じています。 ☆ ☆ ☆ 埼玉県の指導監査(病院への毎年の)が十分に機能していなかっ た(これは埼玉県のみの問題でなく、全国同じ問題) 医師や看護婦の欠員などの病院情報が公開されていない。 痴呆性高齢者が多く精神病院に入院している(朝倉病院の場合は 入院患者の8〜9割)。 これらの方は、特別養護老人ホームやグループホームのほうがはる かに適している。たとえば、東京都の痴呆性高齢者が、東京都で 特別養護老人ホームやグループホームが不足しているので埼玉の 精神病院に入院している。 このような問題が起こると、良心的な精神病院や、ほかの精神病 院で働いている職員さんに多大な迷惑がかかる。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 26日火曜日 朝倉病院問題で厚生省の担当者と意見交換。 「朝倉病院問題の再発防止に特効薬はない」と担当者も悲観的。 私は再発防止のために法整備に力を入れたい。 私は民主党NPO委員会の副委員長なので、経企庁と大蔵省から このたび決まったNPO税制についてヒヤリング。 いま日本にある3700くらいのNPOのうち、優遇税制があてはまる のは数十、ほんの1〜2%とのこと。条件が厳しすぎる。 こんな条件では、NPOやボランティアを支援することにならない とガックリ。 晩は、京都で忘年会。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 27日水曜日 午前中は、民主党京都の会議。議題は、来年の参議院選挙について。 午後は、グループホームについての相談を二件受ける。 一件目は、グループホームの成果の次のような話。 ☆ ☆ ☆ 「2週間前にグループホームをスタートさせた。8人入居。 たった二週間だが、全員がびっくりするほどよくなった。 その笑顔を見せたい」と言って、写真を持ってきてくださった。 「やまのいさんの本に書いてあるように、本当にグループホームは 効果があります」と何度も言われて、私も嬉しかった。 「たとえば、ある要介護3の痴呆症のおばあさんは、短歌の先生だ った。そこで、職員の私が弟子入りをさせてもらい、毎日、短歌を 教えて下さいと言うと、そのおばあさんは毎日素晴らしい短歌をつ くって下さり、笑顔で指導をしてくれる。 みちがえるようにそのおばあさんは元気になった。 特別養護老人ホームに20年勤めて今までがんばったが、特別養護 老人ホームでは忙しかったり、慌しかったりして、十分なケアがで きなかった」とのことでした。 そのグループホームでは、入居者一人一人の特徴や、得意分野を 理解し、生活リハビリをしているそうです。 ☆ ☆ ☆ 先日もらったある大学生からのメールでは、 「グループホームでバイトをしているが、グループホームとは名ば かりで、お年寄りをほったらかし。グループホームの美名で金儲け をしている施設が増えると困る」という内容だった。 ☆ ☆ ☆ やはり、良いグループホームの報告は聞いて嬉しい。 次の相談も、グループホームの事業者。 グループホームを10ヶ所くらいに増やし評判はよいが、やはり、 介護報酬が低いので採算が成り立ちにくく増えにくいとのこと。 私も頭を抱える。 介護報酬を早急に引き上げるように、私も国会で頑張りたい。 また、先日も述べたようにシルバービジネスのグループホームにも 建設補助が出るように運動したい。 晩は、また忘年会2件。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 28日木曜日 早朝から日帰りで東京。東京での最後の日。 NPO税制についてNPO団体の方や、江田五月参議院議員と意見交 換会。 今回NPO税制は「話にならない。99%ほとんどのNPOは対象に ならない」と不満爆発。 そのあと、私の国会事務所のスタッフと、学生インターンさんなど とお別れの昼食。 ☆ ☆ ☆ 民主党本部の今年最後の常任幹事会。 松井孝治(こうじ)さんが京都で政治活動を始めることが決定。 40歳で通産省出身。 現職の笹野貞子さんは比例にまわる方向で調整中。 午後6時、京都市内でこの件について記者会見をするために新幹線 で、京都に向かう。 笹野貞子参議院議員も素晴らしい方なので、是非とも同じ民主党で これからも活動をしたいと願っている。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ この半年を振り返ると、政治が低次元の利益誘導になっているこ とを悲しく思います。 自民党の国会議員が当選した選挙区には、 「おみやげ」のように公共事業を誘導。 そして、国の借金がまた増えた。 そのことについて、来年への抱負「政治をこう変えたい!」を気合 を入れて書きました。 以下、長いですので、関心のある方のみお読みください。 今年もあと少し、よろしくお付き合いください。 やまのい和則 拝 追伸 デンマーク在住の日本人福祉研究家である片岡豊さんから、クリス マスメールが届きました。 片岡さんはデンマークで、国民高等学校を開いておられます。 下記は素敵なホームページです。 デンマークの福祉に関心のある人はのぞいてみてください。 DSSA ー 福祉情報 http://plaza15.mbn.or.jp/~dssa/ ゆたかのホームページ ー プライベートなサイト http://home15.inet.tele.dk/yutaka/index.html エグモント・ホイスコーレン2000年度の日本人生徒サイト http://elev-jp.egmont-hs.dk/ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「政治をこう変えたい!」 1.大胆な地方分権を! 財源と権限を地方に移す! 日本の政治の諸悪の根源が、行き過ぎた中央集権です。 現状では、国が2、地方自治体が1の割合で自主財源を持っていま す。これを逆転させて、国が1、地方自治体が2、自主財源を持て るようにせねばなりません。 私は国会議員にならせて頂いて、痛感しています。 予算の時期になると、議員会館は全国の地方自治体の市町村長さん などの陳情団で満員。大蔵省や建設省などの中央官庁もそうです。 地方から東京に頭を下げて予算をもらいに来る。 ある町長さんは、 「省庁の担当課に挨拶に行く。名刺を置くだけのところも多く、 行っても意味がないことはわかっている。けれど、もし挨拶に行か なかったら、それが理由で予算がつかないかもしれないので、行か ざるを得ない。国会議員の議員会館にも挨拶に行かざるを得ない。 そうしないと、『あいつは俺の頭越しに省庁に行った』と怒りを買 い、『それなら勝手にしろ。予算つけてやらないぞ』となる。 こんなムダなこと、本当はしたくないんです」と嘆いています。 こんな中央集権の国は、先進国で日本しかありません。 そして、ここが国会議員の腕の見せ所と言わんばかりに、国会議 員が官庁に口利きをして恩を売り、その見返りに「次の選挙は私を よろしく!」と頼む。 こんな政治のあり方が、地方に活力をもたらすはずがありません。 その結果、 「強い国会議員を出した地域ほど、国からの補助金が多くもらえる」 ということになり、政策や日本の将来のビジョンはそっちのけで、 地元への利益誘導一色の選挙や政治になっています。 でも、こんなことを続けていて、日本の国は大丈夫なのでしょうか? ☆ ☆ ☆ 2.民主党は、財源と権限を大胆に地方自治体に移し、 国の権限を外交やマクロの経済政策などに制限します。 そうすれば、 「地域にはそれほど必要ないが、国から補助金がもらえるから」と いう理由で行っていたムダな公共事業をなくし、地方自治体が知恵 を絞って、本当に必要な公共事業だけを効率的に行います。 さらに、地方自治体の首長・職員さんも、やる気が湧いてきます。 「住民の身近なところに、財源と権限を!」というのが、民主主義 の大原則です。 ☆ ☆ ☆ 3.「国のかたち」を変えよう! 国と地方は上下関係でなく、パートナー 私は、「国のかたち」を変えたいと思っています。 「国が上で、地方自治体が下」というようなゆがんだ国のかたちを 変える。 国と地方はパートナーです。 福祉や教育や環境など生活関連の行政は地方自治体が主役になる。 国は外交、経済政策、年金など、地方自治体ができないことに限る。 国会や中央官庁は、住民から最も遠いわけですから、住民に身近な 地方自治体が多くの権限と財源を持たないと、住みよい社会がつく れるはずがありません。 中央集権というシステム自体が、大きなムダな公共事業を生み出す 根源なのです。 ☆ ☆ ☆ 4.自治体経営の視点を! 財政再建のためにも「地方主権」を! 故・松下幸之助師は、 「地方自治体には自治体経営の視点が必要だ。 いまの政治家にはあまりにも経営感覚がなさすぎる。 人のお金(税金)だと思って、ムダ使いがひどすぎる。 このままでは日本は財政破綻する。 経営感覚のある政治家を育てたい」と、松下政経塾を設立しました。 この20年前(1980年)の言葉が、今日、ますます説得力を持って います。 ☆ ☆ ☆ 地方自治体に、自主財源と権限が増えれば、地方自治体の首長さ んや職員さんも「自治体経営」という観点で仕事をできるようにな ります。 ムダな公共事業はなくなります。 「どの事業をすれば、国から補助金がもらえるか?」と、国の顔色 をうかがう地方行政から、 「どの事業が住民の希望が強いか?」と、住民主役の地方行政に 変わります。 そして、このような「住民が主役の街づくり」を国や国会議員が、 後方から支援するというのがあるべき姿です。 このような「地方分権」いや、「地方主権」の政治を私は実現した いのです。 ☆ ☆ ☆ 5.国会議員のあり方を変える 地方が主役 国会議員は後方支援 でも、このような大胆な地方分権をすれば、一番困るのは、国会 議員かもしれません。 国の補助金を選挙区(地元)に配るのが今までの国会議員の仕事。 国の財源や権限が減り、地方自治体の財源や権限が増えれば、国会 議員の出番、いや、権力が減るのです。 選挙の際の「応援しないと地元に予算をつけないぞ!」という 「おどし」がきかなくなるのです。 でも、いいじゃないですか。 国会議員は、もちろん、地域(地元)のためにも働きますが、 もっと国全体のことに重点を置いて、仕事をするようにすればよい のです。 そもそも本来、国会議員の仕事は国の舵取りであるはずです。 国の繁栄なくして、地方の繁栄はありえないのです。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 以上、長いメールマガジンで、すみませんでした! やまのい和則 拝 |