。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆ やまのい和則の 「軽老の国」から「敬老の国」へ - Yamanoi Kazunori Mail Magazine - 第81号(2000/12/01) 。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆ メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。 今は12月1日(金)午前1時。臨時国会最終日の前夜です。 9月21日に始まった臨時国会が72日間の会期を明日終えます。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. さきほど乗ったタクシーの中でのこと。 「高輪の議員宿舎まで」と運転手さんに言うと、 「お客さんは代議士さんですか?」と聞かれ「ええ」と答えた。 「景気何とかしてくださいよ」と言われる。 今年に入ってからも悪くなる一方だと言う。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. この72日間の臨時国会を、改めて振り返ると、むなしくなる。 ほぼ1ヶ月の、国会空転。 そのあとの、強行採決の連発。 相変わらずの、バラマキ公共事業の補正予算。 首相や、官房長官の疑惑追及が、メインとなった今回の国会。 財政構造改革や、経済構造改革のメドもまったくつかず、 日本はこのまま21世紀に突入する。 私の専門の介護保険についてもそうだ。 私が6月25日に当選してから5ヶ月。 衆議院の厚生委員会では、たった4時間ほどしか介護保険について 議論されていない。 そのうち1時間10分が私の質疑。 自殺者、失業者、ホームレスも増えている。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 「政治の生産性をあげよ」 と言ったのは、私の松下政経塾での恩師・故松下幸之助師であった。 今、その言葉の意味を、痛感する。 日本人は、世界一勤勉な国民とも言われ、長時間、働いている。 しかし、少なくともこの5ヶ月は、 「国会は、空転と強行採決の連続」で、誰の目から見ても、 景気対策や、財政構造改革、福祉の向上のために、 国会議員が、必死に働いているとは映っていないだろう。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 加藤政局や、官房長官辞任に象徴されるように、この5ヶ月、 なんら改革ができないまま、ただただ政治への不信を深めただけで はないか。 選挙のために、ムダな公共事業を乱発する、今の政治を辞めさせな いと、日本の未来はない。 そのためには、大胆な地方分権が、必要だ。 いま現在、財源(税金)は、国と地方自治体は、2:1 の割合で、持ち、 使い道を握っている。 それを、1:1 にする(国が1、地方が1)。 将来は、1:2 にする(国が1、地方自治体は2)。 地方自治体の自主財源を増やして、地方に本当に必要な公共事業を 地方自治体が考え、遠くの国が考えたムダな公共事業を減らさない と、何も変わらない。 国会議員が、国から地元に、公共事業を引っ張ってくる請負人にな るのはおかしい。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 国会議員は、地方のことは地方に任せ、 国全体の景気回復を、必死になって考える。 その結果、国全体の景気が上向き、地域も活性化する、というよう にせねばならない。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 今日のメールマガジンは、冒頭から固い話になったが、景気が一 向に上向かないのに、国会議員だけが、チンタラ仕事を、している ようで、心が痛むのだ。 やはり、政権交代が必要だと切に思う。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 「民主党が政権をとって何が変わるのか」 とよく聞かれるが、さきほど述べたような、 利益誘導の政治に終止符を打ち、 地方分権の推進などを、断行して 「国のかたち」を変えることは、政権交代なしでは、不可能だ。 今までの癒着、利権構造を一度断ち切らないとダメなのだ。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. さて、ここ2日間を振り返りたい。 昨日(29日)は朝8時から民主党の厚生部会。 来年の、参議院選挙の社会保障に関する政策などを議論。 その後、いくつか面会や会合。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 午後は、グループホームの講演。 対象は、自治体職員さんやシルバービジネス関係者40人。 私はもう10年、過去数百回グループホームの講演をしているが、 ここ数ヶ月、グループホームへの関心が、急速に高まったことを 肌で感じる。 民主党の同僚議員からも、 「知り合いがグループホームをつくりたいと言っている。相談にの ってほしい」という依頼をよく受ける。 嬉しいことだ。全国に700か所では、まだまだ足りない。頑張ろう。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 「私は、グループホームをライフワークとしています。そのわけは ・・・」と講演を切り出し、50分間スライドを使って訴えた。 手ごたえは十分。 なお、私のグループホームの講演のおおまかな内容は、私のグルー プホームのホームページ( http://www.yamanoi.net/ からアクセス できる)「体験ルポ 日本とスウェーデンの痴呆性高齢者向けグル ープホーム」という名で写真入で掲載されています。 参考にして下さい。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 夕方は、前原誠司衆議院議員(京都の同志)のパーティー。 前原さん自身が基調講演を1時間された。 「日本はGNPあたりの土木の公共投資が欧米の二倍、その反面、 社会保障の割合が少ない」 「民主党は、5年で20%、10年で30%、公共事業を減らす。これ からは、『あれもします。これもします』ではなく、『これらムダ な事業をやめます』と訴えて選挙をするようにしないと、日本は財 政破綻する」との訴え。 このような正論を、しっかり訴えて当選するのだから、前原さんは すごいと思う。 そのあと、友好団体の方々との顔合わせ兼忘年会。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 30日朝8時から赤坂プリンスホテルで、近畿道路整備決起集会。 「福祉の山井」のイメージとは少し違う集会だが、私の地元の町長 さんなども、わざわざ京都から参加されているし、道路行政にも力 を入れたいので出席。 大きな部屋に300人くらいの近畿の自治体関係者が座っている。 それに向かい合って20人くらいの私たち国会議員が座る。 ありがたかったのは美味しい朝食が出たこと。 予算の時期なので、決起集会をして、近畿の道路予算獲得のため に気合を入れるのだ。 主催者の挨拶のあと、国会議員がひとことずつ挨拶。 「大阪*区の***です。道路財源の整備のために、精一杯頑張り ます!」などと宣言する。 政党名は言わないのだ。 よくよくまわりを見れば、民主党は私一人。 ほかは全員、自民党の国会議員。 私もひとこと挨拶した。 そのあと、民主党の同僚の、中村哲治議員と、大谷信盛議員が登場。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. ある自民党の国会議員が叫んだ。 「自治体の皆さん、陳情と仕事は自民党、投票は民主党なんていう ことはないように!」と。 「そこまで言うか」とほかの自民党議員から笑い声があがる。 「そんなもん、はっきり言うたらんとわかりよらへん!」とその議 員が再び叫ぶ。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. そのあと、大谷議員が挨拶。 「民主党も、必要な公共事業は、きっちりやります!」。 中村議員も、「仕事も民主党、投票も民主党。どうかよろしく!」 と元気良く挨拶。 自民党に囲まれた中で、キッパリこのように挨拶する二人は偉いな あと感心する。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. そして、国会議員全員の挨拶が終わると、建設省の担当者が話す。 その頃になると、まわりの議員が一人抜け、二人抜けと中座。 来て朝食を食べて挨拶をして、それでもう終わりか。その間15分。 私は、あまりそのような中座は好きではないので、私は残っていよ うと思った。 しかし、気がつけば全員が中座してしまい、私ひとりになった。 さすがに正面に私一人座っているわけにもいかず私も中座。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 午前中に、京都から学生ボランティアの仲間が四人、国会事務所 を訪問してくれた。嬉しい。 彼らとはもう4年の付き合い。 雨の日も風の日も暑い夏の日も、私の福祉のチラシを地域で配りつ づけてくれた仲間だ。 また、私の集会を過去何十回もボランティアで手伝ってもらった。 彼らの汗のおかげで私も当選できたようなものだ。 一緒に議員食堂で昼食を食べる。森田健作さんが隣のテーブルに。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 午後の本会議は10分で終了。 そのあとは民主党の組織委員会。NPO担当局長として出席。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. その後、民主党の社会保障制度研究会。 京都大学経済学部教授の橘木先生から、 「セーフティーネットの経済学」のレクチャー。 低所得者対策をどうするかだ。 「20世紀は完全雇用が日本の当たり前だった。しかし、21世紀は 失業率は5〜10%になる。本格的な失業対策が必要」 「安心にはコストがかかる。福祉のコストをみんなが分かち合うこ とが必要」などと話を聞く。 確かに20世紀に企業や家族が支えていた福祉を、21世紀はしっか りと制度で支えねばならない。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. そのあと、学生たちと国会近所の喫茶店で話す。 改めてみんなにお礼を言う。 この4人に限らず、過去5年間、どれだけ多くのボランティアの学 生に私は支えられたことか。 何万枚というチラシを、彼らにスーパーの前や住宅地で配ってもら った。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 午後6時からは、民主党を支援する学生団体主催の福祉のシンポ ジウム。 「介護職を目指す貴方へ」というシンポで、参加者は約30人。 私と介護福祉士さんと特別養護老人ホームの介護職員さんが20分 ずつ講演。そのあと質疑応答。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 介護福祉士さんは、 「福祉はお年寄りから『ありがとう』と言ってもらうためにやる 仕事ではない。お年寄りから、たとえお礼を言ってもらうことがなく とも、相手に尽くすのが、福祉の仕事」と話す。 そう、見返りを求めない「無償の愛」である。 また、特別養護老人ホームの介護職員さんは働き出して2年目。 福島県出身だが、高校3年の時に老人ホームでボランティアをした のがきっかけで、東京の福祉専門学校に進学。 実習で同じ老人ホームに、再び行ったところ、2年前の彼女を覚え ていたお年寄りが、喜びの涙を流して迎えてくれた。 それで、こんなやりがいのある仕事はないと、改めて感じ、東京の 特別養護老人ホームに、正式に就職した、という。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. そういえば、私もそんな経験がある。 学生時代に、家庭が崩壊した子どもたちの施設で、ボランティア活 動をし、海水浴やキャンプやスケートに、連れて行ったときの 子供たちの笑顔が、忘れられず、 「こんなに喜んでもらえるのなら」と私も、当時の工学部(バイオ テクノロジー専攻)から、福祉の道へ、大転換したのだった。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. その介護職員さんは、 「介護職員に必要なのは笑顔。いくら辛くてもしんどくても、絶対 にお年寄りの前では、つらい顔をしてはダメ。いつも笑顔でお年寄 りに接するのが介護職員です」と、彼女は言う。 もう一人の介護福祉士さんは、 「介護保険になってから、介護職員が、使い捨てになっているよう に感じる。特別養護老人ホームの介護報酬も低く、厚生省に殴りこ みに行きたい気分になることがある」と話す。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 「そんな思いを私に託して下さい。私が現場の声を聞いて、切り込 み隊長として厚生省と話をします」と私は言った。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 覚せい剤疑惑や、愛人疑惑で、時間を浪費した臨時国会の、最終 日前夜、福祉のシンポで、愛あふれる二人の介護職員さんの発言を 聞き、心が洗われた。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 「特別養護老人ホームの現場職員は、ここまで献身的に生きている のに、かたや政治家は・・・」と感じる。 私自身、献身的にお年寄りのため、社会のために、生きねばと、 改めて反省した。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 私は、このように福祉現場の方々の声を、聞かせてもらうのが 大好きだ。 福祉が大好きなのだ。 人間が大好きなのだ。 自分がいやされるように思う。 と同時に、現場の大変さを聞き、 「なんとか政治を変えて欲しい!」と頼りにされると、 「やっぱり、政治家になってよかった」とつくづく感じる。 そして、責任の重さを感じる。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 国会で、与党と野党と、敵味方に分かれて、争ってばかりいると、 人間が嫌い、になってしまうことがある。 しかし、今日のような 「人を愛して、人のために生きる」という福祉現場の方の話を聞く と、 「人間って素晴らしいなあ」 「人間に生まれて、よかったなあ」と思う。 人間は、さまざまな理由で、不幸になる。 そして、人間を幸せにすることができるのは、人間しかいない。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. その後、参加者10人で居酒屋に行った。 ザウルスのデジカメで撮った記念写真(シンポと居酒屋の2枚)を 政治のホームページに、参考までに掲載しました。 このシンポには、わざわざ千葉から、私のホームページの告知を 見て、特別養護老人ホームの職員さんも来てくれて感激。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 午後10時過ぎに、同僚議員との忘年会に合流。 「来年7月の参議院選挙で、与党を過半数割れに追い込み、9月の 臨時国会冒頭解散。総選挙で勝利し、政権交代を!」など話し合う。 鹿児島の川内博史議員や、大阪の大谷信盛議員から、 「自分の地元の知り合いが山井さんのメールマガジン読んでるよ」 と聞かされる。 そして、「今日もメールマガジン書くの?」と尋ねられる。 ここまで期待されたら、私も書かないわけには行かないと、途中で 忘年会を抜けて、議員宿舎に戻り、いまメールマガジンを書いてい るというわけです。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. いつもいつも長い長いメールマガジンで申し訳ありません。 結局、1時間半もパソコンを打ってしまった。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 明日(正確には今から5時間半後・12月1日)は、8時から民主 党の、ホームレスのプロジェクトチームの第一回会合。 代表が石毛えい子議員、事務局長が鍵田節哉議員、私が事務局次長。 民主党のホームレス対策の緊急提言を発表する予定。 9時半から、災害対策特別委員会。 10時からは最後の厚生委員会。 健康保険法と医療法開設法案の付帯決議について。 午後1時から、最後の衆議院本会議。 そのあと新聞の取材。 そして、午後2時から、民主党の両院議員総会とお別れ会。 午後4時の新幹線で京都に戻る。 晩は、民主党の京都市会議員さんのパーティーに出席。 5日ぶりに宇治の自宅に帰宅します。 おやすみなさい。 やまのい和則 拝 |