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   やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

     - Yamanoi Kazunori Mail Magazine -

            第74号(2000/11/20 No.3)

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メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。

メールマガジンを発行する問題点は、夜寝るのが遅くなること。
今日は短時間で終わりたい。

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今は1月20日(月)の午前0時10分。
あと9時間後、本日20日の晩の9時からは衆議院本会議で、
内閣不信任案の提出と採決。

11時には結果が出る予定。少し緊張します。

私の予想は、不信任案は否決で、12月に森首相退陣。
小泉首相誕生。
 また、報告します。

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 今日は、ここ二日間の報告をします。
土曜日18日は、午後、高齢者の会合に出席のあと、宇治市長選挙
のための街頭演説。寒い中を街宣カーの上で演説。
晩は、宇治市長選挙の打ち合わせ会議に出席。

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日曜日19日は、朝11時から民主党の会議。
12月10日投票の宇治市長選挙や来年の参議院選挙について。

1時から5時まで、京都市内に9月にオープンした最新式特別養護
老人ホームを訪問。
12月上旬までに民主党の介護保険の見直し案を再度まとめねばな
らないので、時間を見つけて介護現場をまわっている。

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 ここは、全室個室でユニット型。
21世紀のモデルと言える。
特別養護老人ホームでのグループホームケアとも言える。
駅前徒歩1分にある理想的な立地。
京都市の土地に社会福祉法人が建設。
104人入居。
1階はデイサービスとレストランと児童館。

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レストランは、地域の一人暮らしのお年寄りや、老夫婦世帯も食べ
に来られる。
児童館は異世代の交流のために併設された。

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 2階と3階には、52人ずつが入居。
完全な個室が、それぞれ12人分。
そして、四人部屋の中を個室にしきってある部屋が10。
そして、12人から14人のユニットに分かれている。

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施設長さん曰く、
「12人のユニットに4人の介護スタッフが担当し、この16人が家
族のように1つの食堂で食事をする。食器棚にはご自分の食器を持
ち込んでもらい、ユニット単位で家族のようにアットホームに過ご
して欲しい」と。

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 この個室風の四人部屋にはトイレがない。
部屋を出てすぐ横にトイレがある。
施設長さんも悩んだそうだが、その理由は、
「部屋の中にトイレをつくると、どうしてもトイレの音が耳障りに
なるので」とのこと。

確かに、私も先日ショートステイに一泊させてもらったが、朝5時
に同室の人のトイレの音で目が醒めた。
早朝、静まり返った中でのトイレの音は部屋にひびく。

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 先日、訪問したユニット型全室個室の、老人保健施設は、四人部
屋を個室風にわけ、トイレも四人部屋の中にあった。
それぞれ考え方の相違であろう。

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 また、施設長さんは、
「完全な個室よりも障子一枚で区切られた、ここのような擬似個室
のほうが、多少、人の息遣いが感じられてよいと思う。

完全に自立しているときは、完全な個室のほうがよいかもしれない
が、いずれ弱ってくれば、多少、隣に人の気配が感じられたほうが
温かみがあって、孤独でなくてよいのではないか」と言う。

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 知人のお母さんが入居しておられるので訪問した。
「こんないいところに入居させてもらって幸せです」とのこと。
確かに、四人部屋でなく、個室風に仕切られていると、「自分の城」
という感じで、ホテルのような感じだ。
やはり、個室という自分ひとりが落ち着ける空間を保障されること
は大事だと思う。 

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 訪問していて驚いた。ユニットのリビングで、ふきんをたたんで
いる車椅子の女性が、私の知り合いだったのだ。

「はつ子先生じゃないですか」と私か駆け寄り、手を握った。
「ああ、山井さん」とはつ子さん。

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 話は少しはずれるが、私が福祉の世界に入ったきっかけは、学生
時代に母子寮という福祉施設で6年間ボランティア活動をいていた
からだ。

その施設の指導員がはつ子先生だった。
やさしい、愛あふれる女性だ。当時55歳くらい。今は74歳。

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 その福祉施設にある時、暴力をふるう父親が「子供を返せ!」と
酒に酔っ払って襲ってきた。
そのとき、その父親と戦って、ナイフで刺されながらも、110番
して子供を守ったのがはつ子先生。
私のもっとも尊敬する人物の一人だ。

 私の就職を控えた頃、施設の子供たちを海水浴に連れて行くバス
の中で、隣に座ったはつ子先生がつぶやいた。

「そうか、山井さんも、工学部なので一般の企業に就職してしまう
のか。残念やなあ」と。

私にはこの言葉がぐさっと胸に突き刺さった。
きゃしゃな身体で小柄のはつ子先生が、身体をはって子供たちのた
めに福祉に生きている。
自分は福祉を捨てられるだろうかと。

「こうやって学生時代に福祉にかかわったのも何かの縁。知った
者の責任として、一生福祉に取り組もう」と私は決心するに至った。

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 だから、はつ子先生との出会いがなければ私は福祉に道に進まず、
今ごろ、化学会社に就職していたかもしれない。

 そのはつ子先生との数年ぶりの再会。
「私はもう目が見えんようになってねえ」とはつ子先生。
白内障が悪化し、ほとんど見えないという。
「こんないい老人ホームに入れてよかったですね」と言うと,はつ
子先生も「これでやっと落ち着けました。ほっとしています」との
こと。
はつ子先生は長年一人暮らしで、福祉に賭けた人生であった。

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 施設長さんに介護保険の影響を聞いた。

この施設長さんは、この特別養護老人ホームに来るまでも長らく他
の特別養護老人ホームで施設長をしておられたが、
「サービスの質の介護保険ではあまり変わっていない」とのこと。

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しかし、介護スタッフの主任クラスが、ケアマネージャ―になって
しまい、デスクワークに忙殺されてしまった、ケアのリーダーシッ
プが低下し、今までのようにアクティビティーを十分する余裕がな
くなってしまたとのこと。

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 一方、介護保険以降、利用者からの苦情が増え、これは権利意識
が高まったことなので、施設にとっては大変だが、利用者にとって
はよいことかもしれないと言っておられた。

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 個室でユニットケアのために、本来の介護保険の特別養護老人ホ
ームでの介護スタッフの基準は、お年寄り3人に職員1人だが、こ
こでは2.5:1に手厚くなっている。
だから、施設長さんは、「個室でユニットケアの特別養護老人ホー
ムには介護報酬を25%加算してほしい」と言う。

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 この特別養護老人ホームは、すぐに満員になる予定だが、デイサ
ービスがまだ利用者が少ない。
そのために、チラシをまいたり、見学会を開いたり宣伝に努めてし
ている。
「デイサービスがよりよいサービスを競い合い、お客さんを取り合
うのはよいことだ」と感じだ。

ただし、施設にとってはお互い切磋琢磨せねばならないので、今ま
でのように気楽にできずしんどいかもしれない。

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 晩7時半からは、地域の福祉委員の方40人を対象に介護保険勉
強会で講演。

1時間の講演のあと、10時まで1時間半も20くらいの質問が出た。
私も、とっても大変勉強になった。

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 話は変わるが、私の尊敬する岡本祐三先生と田中滋先生の共著で、

「福祉が変われば、経済が変わる −介護保険の正しい考え方」
(東洋経済新報社、1600円プラス税)が贈られてきた。

実は半年前に私の「介護保険のすべて」(東洋経済新報社)を出版
して下さった編集者の井坂さんの編集なのだ。
今読み始めたがいい本です。おすすめです。

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 明日、いや、正式には今日は、午前中は民主党京都の会議で来年
の参議院選挙対策の話し合い。

正午の新幹線で東京に行き、午後3時から民主党の代議士会。

不信任案へについての議論。
加藤さんとの連携の話も出るであろう。私は加藤さんとの連携には
賛成だ。

 そして、晩9時から本会議。長い一日になりそうだ。

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不信任案が可決され、日本の政治が21世紀に夢開く、歴史的な
1日になってほしい。

 そう祈りながら終わります。また、報告します。
                                                                               やまのい和則 拝
(発行が遅れましたこと深くお詫びします・メルマガ担当)

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