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   やまのい和則の
     「軽老の国」から「敬老の国」へ

     - Yamanoi Kazunori Mail Magazine -

            第66号(2000/11/10 No.2)

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メールマガジンの読者のみなさん、こんにちは。
今日(10日)は京都へ日帰り。
今日2通目のメールマガジンです。
     (発行遅れました。申し訳ありません・メルマガ担当)

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「一日に2通も書くな」と怒られるかもしれませんが、今日は、
衆議院本会議で、とうとう
「あっせん利得処罰法案」が「ざる法」で通過しました。 

正直、ショックです。そんなこともあるので、書きます。

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午前中は、介護保険の低所得者対策などについて勉強会。
いまの介護保険は、低所得者に厳しく、介護保険の負担で、生活
保護になってしまう人も、増えようとしています。そのあたりの
対策を、議論しました。

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 午後1時から本会議。
あっせん利得処罰法案の審議と採決。

民主党など野党は、この法案に
「嘱託」という条件をはずす、
「あっせん」の範囲を予算の個所付けなどにも広げる、
対象を本人と公設秘書だけでなく私設秘書にも広げる、
金品以外の見返りも含める、
職務権限の拡大など、
詳しくは説明しません(新聞に載っているので)が、非常に厳し
い内容の対案を出しました。

しかし、与党の法案は「ザル法」です。

たとえば、自民党の。国会議員には秘書が平均12,3人いますが、
そのうちこの法律の対象になるのは、公設秘書の3人だけで、
『危ない仕事』
『お金をもらう仕事』は私設秘書にさせれば大丈夫なのです。

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 民主党の長浜衆議院議員が、この厳しい法案を趣旨説明すると、
自民党からのやじがすごい。
「政治活動の自由はどうなるんだ!」
「そんなことじゃ政治活動ができなくなるじゃないか」
「民主党は陳情を受けないのか」
「日本を警察国家にするのか」などという声の嵐。

対して民主党からは、
「恥を知れ!」
「何がこわいんだ。汚いお金をもらっていなかったら、そもそも
心配する必要ないじゃないか」
「陳情は受けてもいいんだ。お金をもらわなかったらいいんだ」
などと応酬。

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 そもそもロッキード事件、リクルート事件などで大問題になり
ながらも20年経っても、改善できない日本の政治の金権体質。

その根本は、個別の企業や業界の口利きをし、その見返りに多額
の献金を受けるという構図。

気がつけば、個別の口利きが、国会議員の主な仕事で、口利きに
精を出す政治家が、選挙にも強くなり出世する。

与党の幹部の議員は、みんな脅しの強そうな政治家。
こんな政治でいいのか?

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 国の未来を、真剣に考えないで、自分の選挙だけを考え、口利
きに精を出す政治家をなくすための「あっせん利得処罰法」だっ
たのに。

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でも、私の恩師・松下幸之助師はいつも政治志望の塾生に言った。
「国民は賢なり」と。
「政治を志すものは、国民が馬鹿だ、などとは決して思ってはな
らない。最終的には国民は正しい判断を下す。国民を信じよ」と。

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選挙に、ますますお金がかかることになった、参議院の選挙制度
改革、そして、今回のあっせん利得の「ざる法」。
来年の参議院選挙の審判を待ちたい。

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 それにしても「政治家とカネ」の問題は永遠の悩み。
連日、政治家のパーティーがある。
2万円のチケットは企業が買うものも多い。
しかし、今年1月から企業献金は廃止ではなかったのか。結局、
「ざる法」なので何も変わらない。

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私は幸か不幸か企業献金はほとんどない(特に断ってはいないが、
要は、利益誘導してくれるように見えないのだろう)。
だから、お金がない。
でも、ときどき思う。
「ホームレスの問題や、介護保険の問題、障害者福祉の問題。
やらねばならない問題は多い。
いっそ、合法的な形で、企業から献金をたくさんもらえば、スタ
ッフを増やせて、福祉の問題にももっと取り組めるのに・・・」
と(実際は、そんなことはしないが)。

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 しかし、ヒモ付きでない企業献金なんかない。
もらえばやはり陳情は来る。たとえば、パーティー券を20万円
分買ってもらったら、困ったときに陳情は来るだろう。
もらったところの口ききをすれば、あっせん利得罪にふれかねな
い。悪循環だ。

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 このような悪循環を断ち切らないと、日本の政治は腐りきって
しまう。
これは政治家個人の良識で正せる問題ではなく、法律でしっかり
枠をはめないとダメなのか。

そのチャンスを今日も逃してしまった。

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「企業献金をすべて悪というのか。ひもつきでない企業献金もあ
る」と言われるかもしれないが、
「いい企業献金と、悪い企業献金が、もらう時点では判断できな
い」から、問題なのだと思う。

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 本会議のあとは、民主党のNPO委員会の会議。
江田五月議員、金田誠一議員、岡崎トミ子議員と事務局スタッフ
の方々とともに、民主党が提出するNPO優遇税制についての法
案の詰めの議論。

そのあと新幹線に乗って、いま京都に向かっている。

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 お金の問題を、私は、メールマガジンには書きたくない。
重すぎるテーマだから。
しかし、本質的な問題である。
恥を忍んで苦しい胸のうちを今回書かせてもらった。

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  12月末に、政治資金の収支報告書を、京都府に提出する。
有難いことに、今年は1000人以上の方々からカンパを頂いた。

見返りを求めない、純粋に福祉の充実を願うカンパばかりだ。

そのような心のこもった浄財に支えられているので、私の場合は
企業献金ほとんどなしで、活動を続けられている。

このことに改めて感謝し、今日のメールマガジンを終えたい。
                       合掌 
           やまのい和則 拝

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