「グループホーム入門」への思い

       やまのい和則 99.9.15


  皆さまへ

 私が「痴呆性高齢者向けグループホーム」の普及をライフワークとしていることは、すでにご存知かと思います。

 住み慣れた地域に「5−9人規模のグループホーム」をつくり、初期から中期の痴呆性高齢者と介護スタッフが共同生活をし、家事や趣味を楽しんでもらいながら、残存能力を引き出し、痴呆症状をやわらげたり、痴呆の進行を遅らせたりする効果がある。
 グループホームは「痴呆ケアの切り札」と呼ばれています。

 宇治市では「特別養護老人ホーム宇治明星園白川」の一角を利用して3年前から「グループホーム・やどりぎ」の研究調査が行われています。これは久保田市長が3年間3000万円の研究調査費を「やどりぎ」につけました。グループホームを利用し、リラックスした生活をして、ストレスがなくなり、白髪だった痴呆症のお年寄りに黒い髪が生え出したという効果も「やどりぎ」で報告されています。

 「住み慣れた地域にグループホーム」を増やし、痴呆性高齢者も障害者も地域で暮らし続けられる社会をつくるのが山井の夢です。

 「グループホーム入門」を鳩山邦夫氏と共著の理由は、鳩山氏が都知事選挙に出馬した際、私が政策ブレーンをつとめました。
 鳩山氏の公約は「自然との共生」と「東京にグループホームを1000ヶ所」でした。
 東京では老人ホームは3年待ち、そしてそれも住み慣れた地域から遠く離れたところばかりなのです。結果は、鳩山さんが惜敗されましたが、その後、鳩山さんから「選挙の時だけでなく、ライフワークとしてグループホームの普及に力を入れたいので、山井君、いっしょに本を書かないか」とお誘いがあり本書の出版となりました。

 4ヶ所のグループホームを鳩山さんとともに訪問し、現場ルポを交え、鳩山さん自らが100ページ近くを執筆、さらに、私と厚生省老人福祉計画課長の山崎史郎氏の対談、鳩山氏と日本のグループホーム研究者の第一人者である外山義氏(京都大学教授)の対談も収録されています。

 鳩山邦夫さんは、外見や政策はタカ派的ですが、本当は蝶を愛する心やさしい方です。「お年寄りが住み慣れた地域で暮らし続けられる街づくりがライフワーク」「介護を女性任せにするのは辞めねばならない」と強い信念を持って、今回、執筆してくださいました。

 グループホームは、「介護保険の指定サービス」にもなり、これから急増するものと思われますが、本書では、小学校区に1つ、全国に2万ヶ所が必要だと訴えています。

 鳩山邦夫さんと私が夢とロマンを込めて執筆した本著をどうか皆さん、お目通し下さいますよう心よりお願い申し上げます。                                       草々


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 また本書の、目次をご覧下さい。


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問い合わせ:やまのい高齢社会研究所
電話・0774ー54ー0703


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