「基本計画」はその敷地にどの様な建物を建設することが可能か、大まかな法規や周辺の環境から計画の方針等を模索しご提案する作業です。予算や敷地を取り巻く法的な規制などから分析される建物の大きさ等の数値の提示の段階です。図面というよりもスケッチ等でのプレゼンテーションになります。
「基本設計」は建築主の意向に添った建物を試行錯誤を経ながら設計をしてゆく段階です。具体的に図面を引いてご提示しながら何回も打ち合わせを重ねて作業を進めていきます。図面の内容としては配置図や平面図、立面図、断面図などの建物の形状が判る図面(縮尺1/200から1/50程度)が主な内容でそれを補足する物の作成も致します。この段階が全体の中で最も重要な段階です。
「実施設計」は基本設計に従って、実際に工事が出来るように施工者に渡すための図面を作成する作業です。壁の下地の材料や断熱材の種類等、技術的な範疇の決定を行い図面化してゆきます。設備図や構造図、詳細図や内装の仕上げなど細 かい部分まで書き込んだ図面を描いてゆきます。(縮尺1/20や原寸図まで)通常建築主にはカラーや設備のご決定を頂く程度で後はご報告になります。
前半の作業が終了しますと工務店に図面を渡すことになります。形式的には設計事務所が設計図を建築主に納品をして、施工者である工務店に建築主から図面を渡すと言う事なのですが、実際には打ち合わせも必要になりますので直接図渡しをおこなう場合が殆どです。競争入札(数社の中から見積もり金額で施工者を選定する方法)の場合はここで幾つかの工務店に図面を渡す事になります。工務店は当方から指定をすることはございません。図面を読める(重要)工務店であれば問題は有りません。これまで手掛けた物件などを参考に御選定下さい。(当方からご紹介も、また調査する事も可能です。)
見積もりと平行して役所への確認申請を行います。地域や規模でも異なりますが一月程度とお考え下さい。直接役所に納める申請手数料は建築主から納めて頂きますが、申請の業務に関する当方の経費は設計料に含まれています。(これは当方の場合で他の事務所と共通ではございません。直接建築とは関係しない特別なご商売等の為に別途申請等が必要な場合 は司法書士等の専門の方へご依頼される事をお薦めする場合もございます。)見積もりを工務店から提出を受けて調整期間を経て施工者を決定し、準備期間を加えると、実施図終了から着工までは少なくとも1ヶ月は見て頂きたいと思います。
「基本計画」に2~4週間、「基本設計」に4~?週間、「実施設計」3~8週間、「見積もりと調整と申請」に
4週間程度とお考え下さい。よって最速の場合でもご依頼から着工までに13週(3ヶ月余り)以上必要になります。 当アトリエは少人数の為、直ぐにご対応出来ない場合もございます。できましたら余裕を持って、若しくは事前相談という形ででもお声をお掛け願えれば幸いでございます。