お馬さん紹介その3
ライスシャワー
僕の場合、嫌いで嫌いでたまらない馬が好きになったりします。
「ハヤヒデ」君にしてもそうでした。
本当に嫌いな馬だった、ライスシャワー。
「ミホノブルボン」の第53回菊花賞(3000m)での3冠阻止、
「メジロマックィーン」の第107回天皇賞(3200m)3連覇を阻止。
まさに「記録破りの刺客」。
記録がかかった馬がいると強さを発揮するいやな馬だった。
ライバル、ブルボン、マックィーンが引退してからやる気を無くしたように
ライスは惨敗の連続。
でも、ステイヤー(長距離馬)の血は黙っていなかった。
マックィーンの天皇賞より2年後の天皇賞(3200m)でライスは勝利を味わう。
「刺客」でも何でもなかった。
ライスは初めて主役になれた。今までずっといやな脇役だったけど遂に主役になった。
そう、主役に。
嫌いな馬の勝利に何故かこみ上げるものがあった。
素直に「おめでとう」が言えた。
ライスは春の総決算「宝塚記念(阪神大震災復興支援競走)」に駒を進める。
震災の影響でいつもなら阪神競馬場で行われるこのレースは
京都競馬場で行われることになった。
もちろん主役として。
でも輝く時間は短すぎた。
第3コーナーで、沈むように崩れたライス。
その瞬間歓声は悲鳴に変わりすべての視線がそこに移ったように思えた。
もうレースはどうでもよかった。ライスは大丈夫か?
ただそれだけだった。
「安楽死処分」
あまりに酷すぎる骨折、治療不可能…
突然の死。
これを聞いた時、泣いた。
「たかが馬」
そう思う人もいるかもしれない。
でも、悲しかった。
真っ黒な馬体に真っ黒なメンコ、黒い刺客ライス。
菊花賞、天皇賞2回勝った大好きな京都の芝。
大好きな京都でライス、散る。
生まれ故郷ユートピア牧場で静かに眠っています。
9月にお墓参りをするつもりです。
ライス、きっと逢いに行くから。