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「今度。今度帰ったら、僕は君に告白する」
搾り出したように、頭の中で何度もこの言葉をなぞりながら、僕は告げた。
ずっと彼女との関係をあいまいに、定義づけなかったのは僕だった。
いつも、そばにいる、支えてくれる、そんな小さなかかわりが普通、しごく常識的な男女の関係を形作るものだと、僕はずっと思っていたのだけれど。

「元気出して」
「あなたならダイジョウブよ」
いつも背中を押してくれる彼女の言葉はもしかしたら恋人の口からでも告げられることなのかもしれないけど、でも僕がはっきり聞かなかったから彼女も知らん顔をしていたのかもしれない。
お互い、すこしこわがりだから。

「アナタのお母さん、すこしやせられたわ」
突然、彼女が立ち止まって言った。
「え」
僕も自分がいきなり現実に戻された気がして、即答できなかった。
「この前、電話したときはなんとも言ってなかったけど」
実際、おふくろと電話をしたのは1週間も前ではない。
「遠くにいるあなたに心配かけたくなかったのよ」
彼女は言った。
『遠く』と言う言葉がずしり、とココロに響いた。
「東京とここ、あんまり変わらないけどなぁ」
と言ってみて、彼女の反応を待った。
よくよくみると、栗色に染められた髪も、東京の女性たちと比べるとずいぶん、おとなしいもので
いわゆる「茶髪」というよりは「少し明るくしてみた」レベルである。
「あ、そうそう」
思い出したように紙袋を彼女に渡した。
「あら、おみやげ?気を使わなくて良いのに」
まんざら社交辞令でもなさそうに、丁寧に彼女はそれを受け取った。















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