≪知恵で乗りきる花粉症≫


花粉症は花粉によって起こるアレルギー疾患です。
花粉がとぶ季節に症状が出ます。
スギ花粉だけ反応する人では、大体1月末から4月中旬がその時期ですが、
地域によっても、ひとりひとりの感受性によっても症状の出る時期は千差万別です。
わずかな量の花粉に反応する人や、花粉の飛ぶ時期が終わっても、
症状が長引く人もあります。

毎年の症状の起こり方を振りかえり、
飛散予想と医師のアドバイスにしたがってすごすのが、
この時期を上手に乗り切るための知恵です。

備えあれば憂いなし・・・予防策のあるなしでは、
症状の程度は大きく違いが出てきます。
花粉対策は万全を期しましょう。
症状を少しでも軽くするには早めの受診、早めの治療が役に立ちます。

日々の飛散予報は各地域の情報が参考になります。
テレビやラジオの天気予報やインターネットなどで、最新の情報を入手することができます。
予想をもとに、出来ることなら、外出は風が弱く、
飛散の少ない雨の日や曇りの日にしましょう。
そして晴れて風の強い日、雨上がりの日中の外出はなるべく避けましょう。


   
予知して防ぐも知恵のうち

毎日の予報を見るとわかるように、花粉飛散は天候に左右されます。
でも天気次第の生活は、なかなか難しいもの。
そこで役に立つのが花粉の侵入を防ぐ知恵です。


家の中にも花粉は侵入

隙間やドアの開閉で花粉は屋内にも入ってきます。
屋内の花粉を減らし、花粉に接触す津機会を減らしましょう。

★窓やドアを開けっ放しにしない。
★掃除機、ぞうきんなどを使ってすみずみまでよく掃除する。
★洗濯物や布団を干した時は、よく花粉を払ってから取り込む。


家の外は花粉の世界

花粉飛散予報を参考に、外出を控えたり、
出かける時には身につけるものに気を配って自分の身体は自分で守りましょう。

★メガネ・マスク・帽子・表面のなめらかな上着などで花粉が体に触れるのを防ぐ。
★外出から帰ったら、付着した花粉をすみやかに取り除くために、
 うがい・手洗い・洗顔・シャンプーを。



医師の治療、薬の助けも加えて

花粉症対策の鉄則は花粉との接触を避けること。
とはいうものの、大量に飛ぶスギ花粉は避けきれません。
なので、くすりの助けを借りて治療するとずいぶん楽になります。
具体的に日々役立つ注意点は4つあります。 
 

 
その1「早くから飲んでよかった!」

一般に、飛ぶ花粉量が増えるほど、花粉の症状も強くなります。
薬の使用も花粉が飛び始める前、
あるいは少ないうちに早めにスタートすることが奨められています。

なぜなら・・・

★症状の出始めが遅くなります。
★症状の強く出る時期が短くなります。
★飛散が終わる頃の症状の治まりが早くなります。

こうしたことがわかっているからです。
初めて花粉症を経験する方には、症状の出る前の治療はちょっと無理でしょう。
来季はぜひ、早めの治療をお勧めします。
軽いうちの早いスタートでずいぶん楽になるはずです。 


その2「毎日続けてよかった!」

症状に苦しまないと、治療を怠りがちなのが人の常・・・
でも花粉は飛び始めると、一定の時期が過ぎない限り飛び続けます。
「今日は楽だから」と治療を怠るとひどいめにあいます。

なぜなら・・・

★毎日、きちんと続けていたら楽に過ごすことができることがわかっているからです。
  いったん鼻や眼の粘膜が炎症を起こすと過敏になって元に戻りにくいようです。
  「今日の薬は明日のために」。
  少しの努力を続けて医師の指示がある間はきちんと飲みましょう。


その3「自分に合う薬がみつかった!」

同じ花粉症とはいえ、患者さんひとりひとり症状が少しずつ違っています。
症状のタイプによく効く薬があります。
たとえばほとんどの患者さんに現れる鼻症状の中でも、くしゃみ・鼻水によく効くタイプと、
鼻づまりに比較的良く効くタイプなど、個性があります。
また、人によって眠気の出やすい薬とほとんど問題のない薬もあります。
点鼻薬や点眼薬を使うこともあります。

 その4「スギ花粉がなくなっても続けて正解!」

スギ花粉の飛散は、4月にはほとんどの地域でも終わりを迎えます。
ところが症状はすっきり治まらないというケースが多いものです。
これは、ひとつには敏感になった鼻の粘膜がなかなか正常に戻らないこと。
そしてもうひとつはスギ花粉と同じような症状をおこす
ヒノキ花粉にも反応するケースがあることです。
なかにはその後も夏のイネ科花粉や
秋のキク科花粉にアレルギーを起こす方もいます。
ハウスダスト原因で一年中症状を繰り返す方もいます。
症状の経過をよく観察し、医師に伝えることで
適切な治療を受けることが大切です。