<<検診データの読み方 2>>
血液検査
赤血球
(360〜500万
/μl)
赤血球が減ると酸素の運搬能力が低下し、
組織が酸欠状態になります。貧血の指標となります。
ヘマトクリット値
(34.0〜47.0%)
一定量の血液の中にどれくらいの割合で
赤血球が含まれているかを調べる検査です。
貧血の指標となります。
血色素量
(11.3〜16g/dl)
血色素は赤血球に含まれていて体内に酸素を運ぶ役割をします。
血色素量が減ると貧血を意味します。
白血球数
(35〜91百/μ)
白血球は体内に異物や細菌が侵入して炎症を起こすとたくさん作られます。
逆に白血球が少ない場合は体の防御反応が低下して感染しやすくなります。
血小板数
(12〜36万/μl)
血小板は血管が損傷して出血すると、
その部分にくっついて出血を止める働きをします。
血小板が減少したり、機能が低下したりすると
出血しやすくなったりとまりにくくなったりします。
総コレステロール(130〜219r/dl)
総コレステロールや中性脂肪が異常に上昇すると
動脈硬化を促進させるといわれています。
特にコレステロール値と心臓の冠動脈硬化とも関連は密接で
狭心症や心筋梗塞を起こす危険因子としてよく知られています。

また、脳の血管の動脈硬化は脳卒中を引き起こしやすくなります。
しかしコレステロールは同時に身体にとって大変必要なもので
身体の細胞膜の構成分子に欠かせないものであり、
副腎皮質ホルモンや性ホルモンの骨組みになったり、
脂肪の消化を助ける胆汁酸の材料であることもよく知られています。
HDL
コレステロール
(40〜100r/dl)
動脈などの血管壁に付着したコレステロールを洗い流して
肝臓に運び込む働きをしています。
善玉コレステロール
中性脂肪
(40〜149r/dl)

食べ物から吸収された糖質や脂肪のうち
エネルギーとして使わずに余ったものは
すべて中性脂肪のかたちで脂肪組織に蓄えられます。

蓄積が過剰になると肥満や脂肪肝の原因になります。
また、コレステロールと同様に動脈硬化を促進する危険因子にもなります。
総蛋白
(6.5〜8.3g/dl)
全身の栄養状態に影響されます。
肝臓でのたんぱく質の生合成が少なくなると低下します。
GOT
(8〜40IU/L)
GPT
(4〜45 IU/L)
肝細胞が破壊されると上昇します。
GOTは心筋梗塞や筋炎などでも上昇します。
ALP
(110〜354
IU/L)
体内に広く分布する酵素で
特に胆管や肝臓などの細胞膜に多く存在しています。
肝疾患などで上昇します。
γ―GTP
(48以下IU/L)
腎・膵・肝などの上皮細胞に存在する酵素です。
胆道系の閉塞時や肝細胞障害によって上昇します。
アルコールを多飲する人にも上昇を見ることが多いです。
アミラーゼ
(38〜136 IU/L)

すい臓の疾患のあるときなどに上昇します。
血糖
(60〜109r/dl)
食後すぐや糖尿病のとき上昇します。
HbA1c
(4.3〜5.8%)
血糖の約1ヶ月くらいのならした値を表しています。糖尿病の指標になります。
クレアチニン
(0.4〜1.2r/dl)
腎臓に障害があるとき上昇します
尿酸
(7.0以下r/dl)
ビールや動物性食品の摂取量の増加に関係があるといわれています。
尿酸値の高い人は痛風の有力な予備軍といえます。

総合判定

1異常所見なし:
今回の検診では異常なところはみられません。来年も必ず検診を受けてください。

2要指導:
医師の管理と指導を受けることが必要です。
定期的な診察と指導のもとに、生活を含めて改善がはかられなければなりません。
その結果必要に応じて治療も受けてください。

3要医療:
さらに詳しい検査、または治療が必要です。主治医の診察を受けてください。


下記の項目にチェックがあるときはこういった検査項目に異常があることを示しています。

循環器系:血圧・脈拍・心電図
脂質代謝:総コレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪
造血系:赤血球数・ヘマトクリット値・血色素量・白血球数・血小板数
肝機能系:尿ウロビリノーゲン・総蛋白・GOT・GPT・ALP・γ―GTP
糖代謝系:尿糖・血糖・HbA1c
腎機能:尿蛋白・尿潜血・クレアチニン
その他:肥満度・尿酸・アミラーゼ