<<中性脂肪を下げたい人の食事>>


高脂血症と言われる中には中性脂肪が高いものがあります。
中性脂肪は食物の中の糖質や動物性脂肪が主な原料で、
体内ではエネルギー源として使われますが
食べ過ぎて余った分は皮下脂肪として蓄えられます。

皮下脂肪になるといわれることから想像が付くと思いますが
生活習慣病の温床となる「肥満」は中性脂肪のだぶつきが主な原因ですし、
糖尿病の場合も血液中にこの中性脂肪が増加します。
さらに中性脂肪が過剰になるとHDL(善玉)コレステロールを減少させ、
LDL(悪玉)コレステロールを増加させ、結果、動脈硬化を促進させる事になります。

中性脂肪が高い人は、食べ過ぎないことが第一ですが、
特に主食・甘いお菓子・糖分の多い果物・アルコール類を控えめにする事が大事です。

とは言っても普段過食傾向にある人が急に食事量を減らすのでは、
満腹感が得られずにストレスがたまりがちです。
そこで低エネルギーの食品や無エネルギー食品を上手に利用してボリュームをだすことや、
食物繊維の多い食品を一度にたくさん食べられる料理の工夫が必要となります。

たとえばメインディッシュの材料には、同じ肉や魚でもエネルギー量の低い食材を選ぶとか、
エネルギーは低い上に動脈硬化の予防にも役立つ大豆や大豆製品を選ぶと、
安心してたっぷり食べられます。こんにゃく・海草類・キノコ類などの
無エネルギー食品を上手に組みあわせて料理にボリュームを出すのも良いでしょう。

野菜類は煮物やおひたしにするよりも、生で食べる方がボリュームが出ます。
生野菜を単独でサラダにするのではなく、魚肉類と合わせてメインディッシュに仕立てたり、
主食のパンやご飯と合わせたライス入りのサラダやパンサラダにするとおしゃれで
ボリュームもあってなおかつ主食のとりすぎを防ぐ効果もあります。

また料理の味付けを薄味にすることも必要です。
薄味とは塩分だけを控えるのではなく、砂糖も控えた味付けをします。
濃厚な味付けは塩分や糖分の摂りすぎに繋がるばかりでなく、
ご飯などの主食の摂りすぎにもなりかねないので気をつけましょう。

大豆
(動脈硬化を予防したり、肥満のコントロールができる)

「畑の肉」と呼ばれる大豆は、
タンパク質やビタミンB群を豊富に含んだ栄養価の高い食品ですが、
特に高脂血症予防の効果が期待出来るリノール酸を主成分にした
不飽和脂肪酸やレシチンを含んでいるため、動脈硬化の予防に役立ちます。

さらに大豆にはサポニンという成分が含まれていて、
これは体内で脂質の酸化を抑制し、過酸化脂質を低下させることで
動脈硬化の予防に役立つのです。新鮮な大豆には苦みや渋みがありますが、
これはサポニンのためでサポニンは大豆を煮たときに出てくる泡の中に含まれています。

このほか大豆には植物コレステロールという成分も含まれています。
この成分は小腸でコレステロールよりも先に吸収されて、
コレステロールの吸収を妨害するので動脈硬化を防ぐのに役立つと考えられます。
また大豆は腸から吸収されるブドウ糖が脂肪に変るのを抑える働きを持っています。


新ゴボウ
(消化吸収されない食物繊維が豊富で動脈硬化を防ぐ効果に優れている)

ゴボウの主な成分は炭水化物ですがその大部分は消化吸収されない
水溶性食物繊維のイヌリンと不溶性食物繊維のヘミセルロースやリグニンなどです。
水溶性食物繊維にはLDLを排泄させる働きや、
血糖が急激に上昇するのを防ぐ働きもあるので、
動脈硬化や糖尿病の予防効果が期待出来ます。

さらに、最近はリグニンと呼ばれる成分を含んでることが注目されています。
これは消化吸収されずに便の量を増やし、
腸の蠕動運動を活発にするため、便秘予防に役立つほか
腸内の善玉菌の繁殖を助けて有害物質を運び出す働きもあるので
大腸癌の予防に役立つと言われています。
便秘の解消は当然肥満防止にもつながります。


初がつお
(過酸化脂質の分解を助けるビタミン類が動脈硬化を防ぐ)


初がつおは秋が旬の戻りがつおに比べて、
脂肪のノリが少なくサッパリとしたキレの良い味わいが身上です。
また脂肪が少ない分エネルギーも低めですからたっぷりめに食べても安心です。

主成分はタンパク質ですが、ビタミンB群、A,D,Eと多種類のビタミンを含んでいます。
特に動脈硬化の原因になる過酸化脂質の分解を助けるビタミンBや
血液をさらさらにする効果のあるIPA(イコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)
も含んでいるので動脈硬化の予防にはうってつけの魚といえるでしょう。
中性脂肪の多い人には無エネルギーの海草類や、
きのこ類と取り合わせた料理にするとさらにボリュームが出て満足度も高まり、
しかも低エネルギーが実践できることでしょう。