【インフルエンザ】


インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染によって引き起こされる急性の呼吸器感染症です。
ウイルスは大きく分けてA型・B型・C型の三種類があるので同じシーズンに二回罹ったり、
姿を変える(抗原変異)ので体内で免疫ができても新しいウイルスが入ってくると、
排除することができないために同じ人が毎年感染することがあります。

インフルエンザで気をつけたいことは合併症です。
肺炎や細菌の二次感染による気管支炎、脳炎、脳症など
命に関わる合併症を起こすことがあります。
特に高齢者や糖尿病などの慢性疾患のある人、
また小児などは合併症を起こす確立が高く、注意が必要です。

[原因]

インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することによって発症します。
インフルエンザウイルスが活性化するのは空気が乾燥していて気温が低い季節です。
毎月12月ころから流行しはじめます。ウイルスを持っている人が咳やくしゃみをすると
飛沫が飛び周りの人は鼻や口から吸い込んで感染します。

インフルエンザウイルスの増殖力は急激で、
体内に入ると8時間で100倍になり、
1個のウイルスが24時間後には1000万個に増殖。
かなり強い感染力を持っており短期間で急速に流行します。

[症状]

インフルエンザは感染すると1〜3日間の短い潜伏期間で発症します。
通常の風邪は鼻水やのどの痛みで始まることが多いのに対して、
インフルエンザは突然39〜40度の高熱が出て発症するのが特徴です。
同時に悪寒、頭痛、関節痛、下肢の筋肉痛・倦怠感などの症状があらわれることもあります。
症状は3〜7日くらい続きますが熱が下がってもインフルエンザウイルスは体内に残っています。

他人にうつさないために最低1週間は家で安静にすごしましょう。
また、インフルエンザは学校伝染病に指定されているので
インフルエンザと診断されると解熱後2日間を経過するまで出校停止となっています。

〈普通の風邪とインフルエンザの違い〉

 
普通の風邪
インフルエンザ
発症 徐々に進行 突然の高熱・倦怠感
初期症状 くしゃみ・鼻水・喉頭乾燥感 悪寒・頭痛
主症状 鼻水・鼻詰まり・咳 発熱・関節痛・筋肉痛
発熱 約37度くらい 約39〜40度の高熱が突然出でる
全身筋肉痛 ない ある
食欲 ある ない
合併症 ない 肺炎・脳症・脳炎



[ 対策]

インフルエンザに罹ったらまず安静にして十分な睡眠と栄養を摂り、
重症化させないことが大切です。
室内の湿度を保ち水分補給を心がけ脱水症状を予防します。
一部の解熱剤には脳炎、脳症などを引き起こす可能性があるので、
熱が高いからといって自己判断で市販の解熱剤を服用するのは控えること。

インフルエンザは風邪のひどいものと考えずに早めに医療機関を受診しましょう。

冬季にはインフルエンザ以外の感染症も流行します。
その為に医療機関では鼻やのどの粘膜をぬぐって
そのぬぐい液でインフルエンザかどうかがわかる検査も行っています。
また体内でのインフルエンザのウイルスの増加を抑える抗ウイルス薬も有効です。
この薬は発病初期に服用するとインフルエンザが重症化するのを抑えて、
比較的早く治りますが、発病後時間がたっている場合はあまり効果がありません。

[予防]

一番の予防は流行する前にインフルエンザのワクチンの予防接種を受けることです。
100%感染しないというわけではありませんが予防接種をしていれば
たとえ感染しても症状は軽くすみます。時期的には10月以降、
医療機関などで告知されるので予約しておくとよいでしょう。

普段から規則正しい生活を送りバランスのとれた食事をとり
適度な運動で身体に刺激を与えて体力をつけて感染を防ぎましょう。
加湿器などで部屋の湿度を上げ暖房で室内を暖めすぎないように
定期的な換気も忘れずに行いましょう。

また、水分補給を怠ると空気も乾燥しているため気道粘膜が乾燥し
ウイルスが付着して体内に侵入しやすくなります。
一日1200ml(コップ6杯)を目安にこまめに水分を補給しましょう。
インフルエンザの流行期にはなるべく人ごみは避けたいものですが、
外出から帰ったらすぐにうがい、手洗いをしっかり行うことにより
感染する機会を大幅に減らせます。