【熱中症の予防と対処法】

熱中症は炎天下でスポーツ中の若い人に起こるもの、
と思われがちですが救急搬送される人の約半数は50歳以上の人です。
温暖化の影響で猛暑が続くここ数年、夏の熱中症が増加しています。
しかし熱中症は予防できます。応急手当や予防の方法を知り、暑さに備えましょう。

熱中症は屋外で起こるだけではありません。
猛暑の日は室内にいるのに熱中症になって
救急車で運ばれる高齢者は何人もいます。
多くはクーラー嫌いで普段は窓を開け扇風機を回して
暑さをしのいでいたのに、たまたま体調を崩して窓を開けられなかったとか、
扇風機を回せなかったという事態になったときに発生しています。

これは外気温が高いためにおこる典型的な例です。
しかし、労働やスポーツ活動中の熱中症は
気温がさほど高くなくても体調が悪ければおこります。
これは自律神経系の機能が低下していることが原因であり
体内の温度に問題があります。

熱中症は予防が可能です。
原則は身体に熱がこもらないようにすること
もうひとつは水分補給です。

日常生活では

@吸湿性や通気性の高いゆったりした衣服を選ぶこと
A帽子や日傘で直射日光を遮る工夫をすること
B室温に注意し、風通しをよくする工夫


をしましょう。

激しい労働やスポーツをする前(散歩・ウォーキングなども含む)は
体調を整え労働や運動中はスポーツドリンクなどで水分を補給し
不調を自覚したら無理をせず止めましょう。
普段の生活でも意識して水分補給に努めることが大切です。

重度
分類 主な症状 応急手当の方法
軽症
熱けいれん 痛みを伴う四肢や腹部の筋肉の
けいれん(こむらかえり等)
食塩水を飲ませ涼しいところで安静にさせる。
軽症
日射病・熱失神 冷や汗・手足が冷たい・数秒間の
意識焼失
涼しいところで衣服を緩めて足を高くし休ませる。
意識があれば食塩水や
スポーツドリンクを与える。
意識がなければ病院に運ぶ。
中等症
熱疲労 強い疲労感・脱力感・めまい・頭痛・
吐き気
基本的に熱失神・日射病と
同じ。
意識の有無にかかわらず病院へ運ぶ。
重症
熱射病 1分以上の意識消失・うわごと・幻覚などの脳神経症状。わきの下の体温で
38℃以上が目安。
一刻も早く救急車を呼ぶ。
待つ間は冷却(水をかけてあおいだり、首、脇の下、足の付け根などを氷で冷やす)