貧血のおはなし

貧血とは医学的には「血液中の赤血球や、
ヘモグロビンの濃度がうすくなった状態」のことをいいます。

よくつかれたり、急に立ち上がったときなどに、
一時的にふっとなることがありますが、
これは「脳貧血」といって「貧血」とは区別しています。


貧血と一言でいっても、いろいろなタイプがあることをご存知ですか?

1.赤血球がやせてしまって濃度がうすくなるタイプ

2.何らかの異常が生じて、せっかく作られた赤血球が壊れてしまうタイプ

3.赤血球を作る能力が低下あるいは作る材料が不足しているタイプ
ー鉄欠乏性貧血ーがこれにあたります。

今回はこの鉄欠乏性貧血についてお話しましょう。

貧血といわれる人の過半数がこのタイプの貧血といわれています。

鉄欠乏性貧血とは?

・・・身体の中の赤血球を作る材料である鉄の量が減る事により、起こる貧血の事をいいます。

原因は?

・・・極端な偏食による鉄の摂取不足といわれています。

治療は?

・・・まず鉄分を多く含む食事をたくさん食べる事。
それでもよくならない時は、内服薬、あるいは注射で治療します。



貧血状態になると、皮膚や粘膜が蒼白くなったり、疲れやすい、
動悸がする、頭痛がする、めまいや耳鳴りがするなどの症状がおこります。

しかし、ゆっくりと時間をかけて貧血の状態に進む事が多く、
その場合は身体がそれになれてしまって、なんとも感じないという事も珍しくありません。

気になる方は医師と相談してください。

 食事療法のヒント


<調理方法の工夫>

レバーは、貧血に大切な食品ですが、においが気になる人も多いようです。
香味野菜(しょうが、にんにく、たまねぎなど)
香辛料(七味・カレー粉など)酒類の利用で食べやすくなります。

鶏のレバーは、十分に洗うと食べやすくなります。

豚・牛のレバーは、食べやすい大きさに切った後、
水でよくあらい薄い食塩水に30分くらいつけてから調理します。

なお、レバーは鮮度の落ちが早く、早急な処理が大切です。


<注意!!>

食事中のコーヒー、紅茶、緑茶は、控えましょう。

これらの中にはタンニンが含まれ、鉄がタンニンと結合すると、
身体への吸収がわるくなります。
食事時間以外の時間帯なら、影響はありません。

0.5mg前後の鉄を含む抹茶1杯もよいでしょう。

また、適度なアルコール飲料は、胃液の分泌を亢進したり、
食欲を増大させるのでお勧めします。
特に食前酒は効果があります。
なお、ワインには、わずかですが鉄分が含まれています。