糖尿病にご用心


  糖尿病ってどんな病気?
 
  糖尿病は、血液中のブドウ糖の量(血糖値)が増えた状態が長く続いて、
  さまざまな合併症を起こす病気です。
  血糖値のコントロールは、
  膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが行いますが、
  インスリンの分泌量が少なくなったり、その働きが悪くなると高血糖が生じます。
  糖尿病はインスリンがまったく分泌されない「1型糖尿病」と
  インスリンの分泌量が低下したり、その働きが弱る「2型糖尿病」に分けられますが、
  日本の糖尿病患者の大多数が後者の2型糖尿病です。
  糖尿病は糖尿病になりやすい体質を持っている人に、
  肥満、過食、運動不足、ストレスなどの環境的要因が加わって発症します。

  
  糖尿病を放っておくとどうなるの?

  糖尿病は最初はほとんど自覚症状がありません。
  なので「血糖が高いですよ。」とか「糖尿病がでかけてますよ」と検診などで指摘されてても
  なかなか医療機関にかからない方がおられます。
  しかし、そうして放っておくと糖尿病はどんどん進行し合併症がおこってきます。
  その中には生命を脅かしたり、寝たきりになったりする重篤なものも含まれています。

 











  
  糖尿病の合併症には次のようなものがあります

  ・脳卒中
  ・脳梗塞
  ・心筋梗塞
  ・糖尿病性腎症
  ・下肢閉塞性動脈硬化症
  ・糖尿病性網膜症
  ・皮膚の病気
  ・感染症
  ・糖尿病性神経障害など

  この中でも糖尿病性神経障害・糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症を
  3大合併症とよびます。血糖コントロールをしないで放っておくと
  糖尿病発症時から10〜15年でこれらの合併症が出てきます。




  糖尿病にかかりやすいかどうかチェックしてみましょう!

  □太っている
  □食べ過ぎている
  □お酒をたくさん飲む
  □脂っこいものが好き
  □甘いものが好き
  □夕食が遅くドカーンと食べる
  □食事時間が不規則
  □家族や親せきに糖尿病の人がいる
  □野菜や海藻類をあまり食べない
  □朝食は食べない
  □ドリンク剤をよく飲む
  □運動不足である
  □ゆっくり休めない
  □ストレスがたまっている
  □40歳以上である
  □妊娠中に血糖値が上がったことがある



  糖尿病になってるかどうかチェックしてみましょう

  
  




    
  □この頃太ってきた
  □食べても食べてもやせる
  □とてものどが渇く
  □おしっこの回数が増えて、量も多い
  □全身がだるい
  □疲れやすい
  □肌がかゆい、かさつく
  □下腹部がかゆい
  □手足がしびれたり、びりびりする
  □視力が落ちた気がする
  □立ちくらみがある
  □甘いものが急にほしくなる
  □ちょっとしたやけどや傷の痛みを感じない
  □おしっこが出にくく、出ても残った感じがする
  □足がむくむ、重くなる



  糖尿病の検査
    
  家庭でも簡単にできる尿検査
  血糖値が170〜180mg/dlを超えると尿の中に糖が出ます。
  食後2〜3時間後の尿を紙コップにとって、試験紙に浸すだけの簡単な検査です。
  一般的な検診でも行われていますが、
  家庭でできる検査用の試験紙も市販されています。

  
  尿検査で陽性なら・・・
  ↓
  より詳しい検査を受けます

  血液検査
  血糖検査:朝何も食べずに測った空腹時血糖が126mg/dl以上の時、
  食事は普通に摂って受診したときに測った血糖が200mg/dl以上の時は
  糖尿病が疑われます。
                                      

  HbA1c検査:過去1〜2か月間の平均的な血糖コントロール状態がわかります。
  ヘモグロビンA1cが8.1%以上の時はこの状態が長く続けば合併症の起きる確率が高く、
  早く治療する必要があります。HbA1cが6.5%以下であれば、
  合併症の起こる確率が低く、治療の目標のするレベルです。

  糖尿病の検査は職場や地域で行っている健康診断に含まれています。
  自分が所属してる職場で健康診断が受けられない場合や
  お仕事のしていない方でも40歳以上の人なら住んで着る市町村で健康診断を受けられます。

   



  高血糖と言われたら
 
  検査で血糖値が高いと言われたらかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
  そして定期的に血糖の検査を受けます。
  それから食事や運動など日常生活についての指導を受けます。
  血糖値が安定してくると安心して検査や治療を受けなくなってしまう方がおられます。
  そうなると知らず知らずのうちに血糖が上昇して合併症をおこしてしまいやすくなります。

  いちど糖尿病を診断されたら、定期的に検査を受けて血糖のコントロールができてる
  かどうかを確かめることが大切です。血糖値は一度下がっても生活習慣がみだれると
  また上がってしまうし、放っておくと、知らず知らずのうちに合併症を発症することがあります。
  必ずお医者さんの指示に従うことが大切です。
                                                 



  糖尿病の予防法
  

  
肥満を防ぐことが最大のポイントです。
  肥満の基準にはBMIという基準が広く使われています。
  これは病気が一番少ない体重を、統計的に割り出したものです。
  BMIが22の時、もっとも病気が少ないといわれています。

  あなたのBMIを計算してみましょう
  
  BMI=体重s÷身長m÷身長m


  あなたの標準体重を計算してみましょう
  標準体重=身長m×身長m×22


  BMIの判定  18.5未満…低体重
         18.5以上25未満…普通体重
         25以上…肥満 




  肥満を防ぐことは、いろんな生活習慣病を防ぐことともいえます。
  そのためには食事を運動のバランスが大切です。

  糖尿病を防ぐ食事
  基本は食べ過ぎないこと、栄養のバランスをとることが大切です。
  それには普段の食事でこんなことに気をつけましょう。

  ・野菜はたっぷり摂りましょう
  ・食事は決まった時間に時間をかけて食べましょう。
  ・甘いものや脂っぽいものは食べ過ぎない
  ・ひとり分ずつ取り分けて食べましょう。
  ・薄味にしましょう
  ・ながら食いはやめましょう。
  ・多い時は残しましょう。
  ・お茶碗は小ぶりのものを使いましょう。
  ・調味料はかけずにつけましょう。
  ・食品のエネルギーを知りましょう。
  


  糖尿病を防ぐ運動

  糖尿病を防ぐには、無理のない、適度な運動も必要です。
  運動をしないと筋肉はやせて、体重が少なくても脂肪の多い身体になります。
  こうなると基礎代謝が減ってしまいます。
  基礎代謝というのは何もしない時でも身体が必要とするエネルギーの量のことです。
  このような身体の人は同じ身長・体重の人が同じ量の食事をとっても、
  使うエネルギーが少ないので脂肪になる分量が多くなってしまいます。
  問題は脂肪の量です。運動をすることでからだについた中性脂肪を減らしたり
  筋肉をつけて基礎代謝の多い身体を作ることが大切です。
  病気を防ぐ運動には、身体がきついと感じるほどの運動は必要ありません。
  スポーツに限らずこんな工夫をしてみましょう。

  運動の工夫
  ●外出するとき、少しだけ早めに歩く
  ●遠回りして歩く距離を増やす
  ●買い物は歩いて、買いだめをせずにこまめに行く
  ●3階までなら階段を使う
  ●1日一万歩を目標に歩く
  ●週に一度くらいは隣の駅まで歩いてみる
  ●周囲の風景などを楽しみ、観察しながら歩く
  ●テレビを見ながらストレッチをする
  ●泳げなくても、水中を歩く
                                   
  運動をする時間は1日に20〜30分くらいが目安です。
  初めは一度の時間が5〜10分と短くて見大丈夫です。
  慣れれば続けられるようになります。