建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準

昭和五十四年七月十日
建設省告示第千二百六号
改正
平成元年三月三〇日建設省告示第八三一号
平成九年三月二六日建設省告示第九二四号

建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第二十五条の規定に基づき、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準を次のように定める。

第一  業務報酬の算定方法

建築士事務所の開設者が建築物の設計、工事監理、建築工事契約に関する事務又は建築工事の指導監督の業務(以下「設計等の業務」という。)に関して請求することのできる報酬は、複数の建築物について同一の設計図書を用いる場合その他の特別の場合を除き、第二の業務経費、第三の技術料等経費並びに消費税及び地方消費税に相当する額を合算する方法により算定することを標準とする。

第二 業務経費

業務経費は、次の(イ)から(ニ)までに定めるところによりそれぞれ算定される直接人件費、特別経費、直接経費及び間接経費の合計とする。この場合において、これらの経費には、課税仕入れの対価に含まれる消費税及び地方消費税に相当する額は含まないものとする。

(イ) 直接人件費

直接人件費は、建築物の設計等の業務に直接従事する者のそれぞれについての当該業務に関して必要となる給与、諸手当、賞与、退職給与、法定保険料等の人件費の一日当たりの額に当該業務に従事する延べ日数を乗じて得た額の総和とする。

(ロ) 特別経費

特別経費は、出張旅費、特許使用料その他の建築主の特別の依頼に基づいて必要となる費用の合計とする。

(ハ) 直接経費

直接経費は、印刷製本費、複写費、交通費等建築物の設計等の業務に関して直接必要となる費用((ロ)に定める経費を除く。)の合計とする。

(ニ) 間接経費

間接経費は、建築物の設計等の業務を行う建築士事務所を管理運営していくために必要な人件費、研究調査費、研修費、減価償却費、通信費、消耗品費等の費用((イ)から(ハ)までに定める経費を除く。)のうち、当該業務に関して必要となる費用の合計とする。

第三 技術料等経費

技術料等経費は、建築物の設計等の業務において発揮される技術力、創造力等の対価として支払われる費用とする。

第四 直接人件費等に関する略算方法による算定

業務経費のうち直接人件費又は直接経費及び間接経費の額の算定については、第二の(イ)、(ハ)又は(ニ)にかかわらず、次の(イ)又は(ロ)に定める算定方法を標準とした略算方法によることができる。

(イ) 直接人件費

設計又は工事監理等(工事監理、建築工事契約に関する事務及び建築工事の指導監督をいう。)の業務でその内容が別添一に掲げる標準業務内容であるものに係る直接人件費の算定は、通常当該業務に従事する者一人について一日当たりに要する人件費に別添二に掲げる標準業務人・日数を乗じて算定する方法

(ロ) 直接経費及び間接経費

直接経費及び間接経費の合計の算定は、直接人件費の額に一・〇を標準とする倍数を乗じて算定する方法

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附 則
(平成元年三月三〇日建設省告示第八三一号)
             この告示は、平成元年四月一日から施行する。


別添資料・・・

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(1)設計意図を施工者に正確に伝えるための業務

.施工者との打ち合わせ
㈼.図面等の作成

(2)施工図等を設計図書に照らして検討及び承諾する業務

.施工図の検討及び承諾
㈼.模型、材料及び仕上げ見本の検討及び承諾
㈽.建築設備の機械器具検討及び承諾

(3)工事の確認及び報告

㈵.工事が設計図書及び請負契約に合致するかどうかの確認及び
建築主への報告

㈼.工事完了検査及び契約条件が遂行されたことの確認

(4)工事監理業務完了手続

㈵.契約の目的物の引渡しの立会い
㈼.業務完了通知書及び関係図書の建築主への提出
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(注)(1)㈼.に規定する図面等は、設計意図を正確に伝えるための
スケッチ等であり、工事期間中に行われる実施設計の延長と考えられる
図書は含まない。



工事の契約及び指導監督

(1)工事請負契約への協力

.施工者の選定についての助言
㈼.請負契約条件についての助言
㈽.工事費見積りのための説明
㈿.見積書の調査
㈸.請負契約案の作成
�.工事監理者としての調印

(2)工事費支払審査及び承諾を行う業務

.中間支払手続(施工者から提出される工事費支払の請求書の審査
及び承諾)
㈼.最終支払手続(工事完了検査による確認に基づく施工者からの
最終支払の請求の承諾)


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