2007年9月定例会 一般質問

 通告に従って一般質問を行ないます。

最近、国や各地の自治体で、談合・裏金づくり・飲酒運転など、職員・組織ぐるみの不祥
 事が重なり、市民の中では行政に対する不信感が強まっています。
当然ながらこの状況は決して好ましい状態とは言えません、まず信頼を取り戻さないこと
 には、市民と一緒に将来への「夢」を語ることは出来ません。
その為には、透明でより公正な自治体のあり方を追求し、真の開かれた自治体運営を早急
 に実現する必要があります。
  
 このような観点から今回の一般質問を行ないます。


 
 最初に
1.市長の政治姿勢について、お伺いいたします。

@2市2町の合併問題について
 先日の全員協議会で矢野議員が質問の際にも触れたように、この合併問題は宇治の将来にとって極めて重要な問題であり、民主党宇治市会議員団としても慎重に対応してまいりました。
  それは会派で主催した市民フォーラムの際寄せられた「任意協で示された、限られた情報では合併の是非について判断できない」といった市民の声にも代弁され ますが、さらに重要なことは、私たち議員は全ての案件について市民から白紙委任はされていないと考えているからでもあります。これは市長に対しても同じ事 が言えるのではないでしょうか?

 任意協解散までの経緯については、幹事会・全協、そして今の池内議員への答弁でも明らかにされたので、改めて首長の説明責任といった観点から市長のお考えを確認させて頂きたいと思います。

(質問1回目)
(1)そもそも合併について市長はどのように考えておられたのか?・・白紙の状態?推進?消極的?
(2)この時期での任意協解散は今までの議会等での市長発言と矛盾していないか?  
(3)市長は任意協解散の発表前に、議会や市民に理解を求める必要性を感じなかったのか?
(4)任意協解散によって市長のまちづくりに掛ける想いに変化はあったのか?

(質問1回目の答弁)
 2市2町の合併についてのご質問にお答え申し上げます。
  まず、市町村合併についてどのように考えていたのかというご質問でございますが、私は、今日の地方分権の進展、そして地方自治体のあり方が大きく変わりつ つある現状や、情報・交通手段の発達、市民の生活圏の拡大を踏まえた将来的なまちづくりを考えたときに、市町村合併は論議を避けて通ることはできない重要 な問題であると考えておりますし、また市町村合併は最大の行政改革であるとの観点から推進していくべきであるというのが私の基本的な立場であり、そのこと はこれまでの議会答弁等におきましてもたびたび申し上げてまいったところでございます。
 次に、この時期の解散がこれまでの発言と矛盾しないかと いうご質問でございますが、先般の全員協議会でも申し上げましたように、城陽市長の合併問題に取り組む姿勢については、任意協議会の発足以来の言動を見ま しても、不信感を持たざるを得ないものばかりでございました。しかしながら、今回の合併協議はそもそも城陽市長の呼びかけによってはじめられたものであ り、またなんとか合併の実現に向けた真摯な論議をしていきたいという切実な思いから、心ならずも城陽市長をかばうような発言をしてきたことは事実でござい ますが、解散決定後の他への責任転嫁と自己弁護に終始されている城陽市長の対応を見ますと、城陽市長をかばう発言をしてきたこと自体、今となっては意味の ないことであったと思っております。
 また、解散を発表する前に議会や市民の皆様の理解を求める必要性があったのではないかとのことでございます が、任意協議会の運営は任意協議会の委員に委ねられており、解散は8月27日の第6回任意協議会で委員全員がこれ以上論議を進めても意味がないという判断 をされ、全員一致で急遽決定されたことでございますので、前もって議会や市民の皆様のご意見をお伺いすることは物理的にも不可能であったと考えておりま す。しかしながら、その経過等を議会や市民の皆様に説明することは行政としての責任であると考えておりますことから、過日の全員協議会でご報告申し上げ、 また市民の皆様には10月11日付の「市政だより」やホームページを通じてご報告申し上げる予定でございます。
 次に、協議会の解散によって、私 のまちづくりに掛ける想いに変化はあるのかとのご質問でございますが、合併をする、しないに関わらず、私が掲げております、「市民が主役の街づくり 地域 が主役の夢づくり」の基本姿勢は変わることはございませんので、宇治市第4次総合計画の実現に向けまして、行政改革をはじめとする諸課題にこれまで同様に 取り組み、住民サービスの向上に努めて参りたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
  
(質問2回目)
  合併についての市長の考えは分かりました。
  また市長の任意協解散と言う決断も、心情的には十分理解できます。
  しかしこの任意協解散について久保田市長は「将来のまちづくりを議論する場を失ったことは誠に残念」、また「各市・町に応分の責任」と発言されています、 城陽市長は「民意を聞く前に解散は誠に残念」、このような発言を聞けば聞くほど、なぜ住民の意向を聞くことなく解散という結論を出したのか、「極めて遺憾 である」というしかありません。
  
 同時に、関係した2市2町の自治体にはいずれも「住民の意向を問う仕組みが無い」という大きな課題 を露呈した出来事であったといえます。市長の掲げる「市民が主役の街づくり 地域が主役の夢づくり」つまり、地方分権・地域主権を実現するためにも、「住 民の意向を問う仕組み」の早期構築をお願いしてこの項の質問を終わります。
  
  
Aまちづくり基本条例制定について

(質問1回目)
 「市民が主役のまちづくり、地域が主役の夢づくり」を実現するためには、市民協働参画社会の実現が不可欠であります。
  第4次総合計画の中間見直しにおいても、市政への市民参画機会の拡充を図るということですが、具体的にはどのような手法で実現しようとしているのか、ま た、私はその実現に向けての第一歩は、住民にとって憲法ともいえる、まちづくり=住民自治、基本条例を制定することであると考えますが、市長の考えをお尋 ねいたします。
 
 また、現在検討中の(仮称)宇治市まちづくり条例の名称についてでありますが、他市の例を調べると住民基本条例に「ま ちづくり」の名称を使っているケースが目立ちます、この検討中の条例は景観を強く意識した内容になっています、もう少し目的が分かり易い名称に変更すべき であると考えますが、当局の見解をお尋ねいたします。

(質問1回目の答弁)
 市政への市民参画機会の拡充を図るための手法及び自治基本条例の制定に対する考えはどうかというご質問にお答えします。
  市政に対する市民の皆様方の自主的かつ積極的な参画は、多くの市民の方々のご意見やニーズを的確にとらえ、市政運営に反映させて参りますために不可欠であ ると考えておりますが、その手法につきましては、それぞれの自治体の歴史やおかれている環境によって大きく異なりますし、様々な方法があり、課題ごとに最 も適切な方法を選択していくことが必要ではないかと考えております。
 そのため、本市では、これまで各種審議会・委員会、市民相談、行政懇談会、 市政モニター、消費生活モニター、各種アンケート、調査、パブリックコメント、ワークショップなど様々な手法を用いまして、幅広くご要望やご意見の把握に 努めるとともに、市民参画機会の充実に努めて参りました。
 
 また、自治基本条例を制定する必要があるのではないかというご提案につきま しては、その理念を否定するものではございませんが、他市の事例を見ましても、条例に掲げられている内容の多くはすでに本市においても実現されているもの でございますし、敢えて条例化が必要であるかどうかということにつきましては、他市の動向等も勘案しながら、更に検討を進めてまいりたいと考えておりま す。
 
 なお、現在検討を進めております(仮称)宇治市まちづくり条例では、市民の皆様が主体となって、地域のまちづくりに関する計画や ルール作りを行っていただくための手続きや行政の支援等の内容で構成されておりますことから、市民参画の機会が更に拡充されるものと考えており、こうした 個別の分野で実質的な市民参画の機会を拡大していく仕組みを構築していくことが何よりも重要であると考えておりますのでご理解賜りますようお願い申し上げ ます。


(質問2回目)
 市長の見解をお聞きしましたが、「市民が主役のまちづくり、地域が主役の夢づくり」を選挙公約にしている市長の発言とは思えません。行政側の立場から必要と思われることを実施しているだけのようにも感じます。
 市として統一したルールが無い中で行なわれる、それらの手法は、参加した多くの方の指摘にあるように形骸化しており、いわゆる行政のアリバイづくりの為に実施していると勘ぐられても仕方ありません。
 過去、委員会や本会議の場で何度も指摘してきましたが、市民の意見を施策にする、或いは反映する。
 さらに政策を策定する過程で市民に意見を求める、いずれも手間隙掛かりますが、このような仕組みが有って始めて市民参画社会といえます。
 その仕組みづくりには、きちんとした法的裏づけが必要であり、住民基本条例の制定が欠かせません。
 
 民主党宇治市会議員団では、マニフェスト宇治のなかで、今後も続くと思われる厳しい財政状況を想定して「あれもこれも」から「あれかこれか」への発想の転換を図る必要性をうたっています。
 分かりやすく言うと、高負担・高サービスを選択するのか、低負担・低サービスで我慢するのか、或いは別の方法を模索するのか?いずれにしても重要なのは、誰が選択するのかであり、選択経過に透明性はあるのかということです。
 
 真に「市民が主役のまちづくり」の実現を目指すのであれば、この条例づくりに消極的な答弁は出来ないと思いますが、再度市長の見解をお伺いいたします?

 次に、(仮称)宇治市まちづくり条例について中味の説明が有りました、しかしこの条例は広義の意味でのまちづくりとは本質的に違います。世界遺産のあるまちに相応しく、守るべき景観を意図した分かり易い名称に変更すべきあります。

(質問2回目の答弁)
・・・・・・・・・・・


(質問3回目)
 自治基本条例は、私達のまちがどのような理念でまちづくりを進めるのかを内外に明らかにし、わたしたち市民が主役として、まちづくりの諸活動に参加することを宣言し、参加の仕組みを制度として確立する。このことが制定の必要な理由です。
  またこの条例の目的は、わたしたちがまちづくりの主体であること及びわたしたちのまちづくりへの参加が豊かな地域社会形成の要であることを確認し、まちづ くりへの参加が将来にわたり制度として保障されることを明らかにするとともに、まちづくりを進めるための基本原則及びまちづくりの施策を実施するために市 が基本としなければならない事項を定めることにより市制を一層身近なものにし、わたしたちとわたしたちのまちが自らの判断と責任においてまちづくりの方向 を決定する仕組みを確立することにより創造力と活力に満ちた住民自治の実現を図ることにあります。是非とも条例制定に取組んで頂く事を強く要望して質問を 終わります

次に大きな2番目の質問項目として、
2.安全・安心のまちづくりについて
  安全・安心のまちづくりとは、「快適なまち」・「安心して暮せるまち」・「安全で住みよいまち」を目指すことであるといえます。先日も局地的な激しい雨で 南堀池とウトロの一部が冠水しました。原因と対策についてはこれからしっかり検討して頂く事として、本市にとって宇治川治水は避けては通れない大きな課題 であります。そこで、治水の観点から質問を行います。
 
@宇治川治水について(1500? 放流) 
  本年1月末で活動を休止していた淀川水系流域委員会が去る8月9日に再開されました、委員は24名で新規と継続が半数ずつ、再開の理由としては7月27日 に開催された国交省の社会資本整備審議会河川分科会で「河川整備基本方針」が承認されたことによると説明されています。
 その「河川整備基本方針」の内容とは、「長期的な視点に立った河川整備の基本的な方針を記述する」ことと
「個別事業など具体の河川整備の内容を定めず、整備の考え方を記述する」ことの2点に集約できます。
 
 そこで本市の宇治川治水の考え方についての見解をお伺いいたします。
 
(1)淀川水系流域委員会での資料や内容について本市への提供並びに説明はあるのか、また本市の意見・意向を今後どのように伝え、反映する仕組みになっているのかお尋ねいたします。

(質問1回目の答弁)
安全・安心のまちづくりのうち、宇治川の治水対策に関する質問に順次お答えします。
 宇治川の治水対策につきましては現在、国において淀川水系河川整備計画の策定が進められております。
 8月16日に社会資本整備審議会の審議を経て淀川水系河川整備基本方針が官報告示されまして、8月28日に学識者、関係住民、関係自治体のご意見を聴くための「たたき台」として淀川水系河川整備計画原案が国により作成・公表されたところでございます。
  まず最初に河川整備計画策定に向けた今後の意見聴取の動きについてでございますが、学識者の意見聴取につきましては、8月9日に淀川水系流域委員会が再開 され、今月19日までに6回の委員会が開催されてきており、今後も月に2,3回の開催が予定されております。次に関係住民の意見聴取につきましては、宇治 地域も含め今後数か所で住民の意見を聴く会が開催される予定となっております。また関係自治体の意見聴取としましては、今後自治体首長との懇談会が複数回 開催されると聞いておりますし、宇治市といたしまいても12月までには整備計画原案に対する意見を提出してまいりたいと考えております。なお、これらの点 につきましては、10月4日の所管の常任委員会で詳しい報告をさせていただきますので、ご理解賜りますようお願いいたします。

(質問2回目)
 所管の委員会で詳しい説明を行なうとのことですが、いったいどのような手法で宇治市としての意見を取りまとめるのかお尋ねいたします。

(質問2回目の答弁)
 宇治川の治水対策に関して、宇治市の意見のとりまとめ方法に関する質問にお答えします。
 今回の河川整備計画の策定は本市にとっても大変重要なものと考えておりますので、1問目の答弁でも申し上げましたとおり、12月までには意見を提出してまいりたいと考えております。
  意見の取りまとめにあたっては、原案の周知、市民意見の把握について、どういった方法がより効果的なのか十分検討し、市民の皆様が河川整備にあたって何を 求めておられるのかを把握したうえで、宇治市といたしましては、まず第一に市民の生命と財産を守るための治水を最優先させ、そのことが確保された上で生態 系や景観などにも最大限配慮すべきとの基本的な立場に立って、意見を取りまとめてまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し 上げます。


(2)淀川水系流域委員会が再開されましたが、前提条件がきちんと整理されないまま1500?/S放流が既定事実としてスタートしたような印象があります。今一度前提条件を整理するべきだと考えますが当局の見解をお尋ねいたします。
 
(質問1回目の答弁)
  次に、今後の河川整備計画策定にあたっての前提条件でございますが、河川法第16条の2で河川整備計画は河川整備基本方針に沿って定めなければならないこ ととされておりますので、この河川整備基本方針が大きな前提条件となりますとともに、当然、現在の河川、洪水調節施設の能力等も前提条件の一つであると考 えております。
 淀川水系河川整備基本方針では、長期的な視点に立った河川整備の基本的な方針として、宇治川に関しましては、1/150年の計画 規模、166mm/9hの計画降雨量をもとに宇治地点の計画高水流量が1,500m3/sと定められております。また、原則として瀬田川洗堰の全閉操作は 行わないことも定められております。
 一方で、塔の島地区の現況流下能力は890m3/s、天ケ瀬ダムの最大放流能力は900m3/s、また、宇治川堤防の詳細点検の結果として、今後補強の必要な個所が3.4kmあるといった現状があります。
 したがいまして、河川整備計画の策定にあたっては、これらの現状を十分把握した上で、計画期間である今後20〜30年後の目標や具体的な整備内容を明確にしていくこととなります。
 
(質問2回目)
 淀川水系流域委員は立場の違いによって独自の数値を使い解釈もまちまちであるような印象があります。
  その中には、瀬田川洗堰は現状では850?/S、琵琶湖水位+1.4mで1,500?/S流せると主張している委員も居られます。また、天ヶ瀬ダム再開発 事業(トンネル式放流設備)で制限水位EL+72.0mにおける放流能力900?/S を1,500?/Sに増強、塔の島地区の整備として現況流下能力概ね1,000?/S、宇治橋を中心に1,900mの範囲を掘削(最深河床部約0.4m) して1,500?/Sが可能になる。等など、本当に様々な主張が夫々の委員の見解として書かれています。我々はどの数値を信じればいいのかますます分から なくなってきます。
 本市では先ほどの答弁で示された数値を与条件として、これから論議を進めていくようですが、これは私の解釈が間違っているよ うでしたら訂正をお願いしたいと思いますが、そもそもこの1,500?/Sの数値自体が絶対条件なのか疑問です。今の答弁での数値は国の見解をそのまま言 われたものだと思いますが、もう少し本市なりの検討が必要ではないかと考えます、この点は指摘しておきます。


(1)淀川水系河川整備計画原案に対し滋賀県の「瀬田川洗堰の全閉を原則行わない」との見解が発表されました。この見解について本市の考えをお尋ねいたします。
 
(質問1回目の答弁)
 次に8月28日に国より公表されました淀川水系河川整備計画原案に対する滋賀県の見解につきましては、新聞報道等によりますと「瀬田川洗堰の全閉を原則行わないと明記された事に対しては大変意義深いものである」との見解を出されたと聞いております。
  原案では流域全体の治水安全度の向上を図る観点から、宇治川・瀬田川における対策及び大戸川ダムの整備を行った後、下流に影響を及ぼさない範囲で原則とし て瀬田川洗堰の全閉操作は行わないこととし、洪水時においても洗堰設置前と同程度の流量を流下させることとする。ただし下流河道で堤防の決壊による甚大な 被害おそれがある場合には、真にやむを得ないときに限って瀬田川洗堰の全閉操作、沿川の内水排除の規制などについて検討し、流域が一体となって的確な対策 を講じる。とされており、洗堰の操作規則の見直し等は今後の宇治川等の河川整備、洪水調節施設の進捗状況を踏まえて検討されるとされておりますが、このこ とは宇治川改修、天ヶ瀬ダム再開発、大戸川ダム建設などの下流の治水対策がいまだ実現していない中で、全閉操作の撤廃が議論されることは問題だと、たびた び申しあげてきた当市の意見が一定配慮された結果であると考えております。
 
(質問2回目)
 滋賀県の見解に対しての本市の考えは理解いたしました。今後も引き続き本市の意見を強く主張していただきたいと思いますが、この後期放流1,500?/Sは琵琶湖の水害と環境を守るために行うとも言われています。 
 我々宇治市民にとっては、宇治川堤防のどの部分が弱く、その部分の改善や堤防が決壊した場合の危機管理はどうなっているのかが最も気になるところであります。
  平成17年7月21日発表の「天ヶ瀬ダム再開発の調査検討」に、宇治川堤防の浸透・侵食に対する詳細点検結果と宇治川の緊急堤防補強区間が載っています が、点検内容そのものが分からないのと、緊急堤防補強区間が決った根拠も明らかになっていません。この点についても当局より国交省に確認して頂く事を要望 して、この項の質問を終わります。
 
 
 A戦川並びに丸山関電放水路への避難橋架橋について
(質問1回目) 
 安全・安心のまちづくりの観点から車田地域の災害時の避難経路には大きな問題があると指摘されています。
  問題とは、民間主導の場当たり的な開発並びに当時の行政の指導力不足により住民の避難経路や大型緊急車両の通行が確保されていないことにあります。その問 題解決に向け地元連合町内会から毎年要望が出ているのが、2方向避難経路の確保ですが、残念ながら今日まで誠意ある回答はありません。
 このたび近隣の丸山地区で大規模住宅開発が計画されています。このような周辺状況を踏まえると戦川と丸山関電放水路に避難橋を架けることは千載一遇の機会であると考えますが当局の考えをお尋ねいたします。

 
(質問1回目の答弁)
 続きまして「戦川並びに丸山関電放水路への避難橋架橋」に関する質問にお答えします。
  戦川及び関西電力余水路の架橋につきましては、国においては基本的なプランである「宇治川小径ネットワーク基本プラン」が作成をされておりまして、河川管 理者におかれましては、継続的に形状・工法等の検討が行われていると聞いておりますが現時点では、予算等を含め実施時期については未定であると聞いており ます。
 なお、先ほど申し上げました淀川水系の河川整備計画原案において「歩行者が河川を容易に移動でき、安全に水辺に近づけるよう小径の整備を継続して実施する」とされているところであります。
こ の計画が実現致しましたら、宇治川堤防上の経路の連続性が確保され、当該地域における議員ご指摘の2方向の避難経路として十分な機能を発揮できるものと考 えておりますことから、今後は当該地区のプランが確実に整備計画に位置づけられますよう意見を申し上げて参りますとともに早期の実施につきましても、引き 続き要望して参りますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
 
(質問2回目)
 本市には過去、都市計画は無く、無秩序に許してしまった開発の責任を強く感じて頂く必要があります。
 危機管理課が地域に防災マニュアルを作成させていますが、車田地域だけでなく大型緊急車両が入れない地域や2方向避難経路が確保されていない地域が宇治市内には相当数あります。
 庁内でもこのようなまちづくりについての欠陥を共通認識して頂かないと地域の安全は確保できません、そのような課題がある地域に住んでいる事は自己責任であるというような考え方は改めて頂き、真摯に安全で安心なまちづくりに取組んで頂くことを強く要望しておきます。
 この「戦川並びに丸山関電放水路への避難橋架橋」については、近いうちに再度質問いたします、それまでに市が主体的に関係機関との調整を終え、着工時期を明言して頂く事を重ねて要望しておきます。



 B宇治川河川敷の迷惑行為について
(質問1回目)
四季を通して、家族連れや若者がバーベキュー等で楽しんだ生活ゴミの散乱や資源ごみの不法投棄、また夏場
は 深夜にまでおよぶ花火や喫煙・飲酒によっての大騒ぎ、近隣住民は非常に迷惑をこうむっています、警察にも相談し幾度となく出動して頂いていますがイタチ ゴッコであり、通報した住民が身の危険を感じるような事態にも発展しています、当局へも苦情が寄せられていると思いますが、現在までどのような対応をとっ てきたのかお尋ねいたします。

 また、このような状況を見かねた方が、当初は散歩ついでに時々堤防沿いを清掃しておられましたが、今では 殆ど毎日、自主的な清掃ボランティアとして広範囲な草刈や清掃に頑張っておられます、そのような方々に市として感謝の意を表することは考えられないかお尋 ねいたします。
 
(1回目の質問の答弁)
 最後に「宇治川河川敷の迷惑行為」に関する質問に河川管理の観点からお答えします。
 河川敷につきましては国において管理されており、その利用については公共空間として多様な生物の生息・生育環境の場となっており、市民の誰もが自由に楽しめ、憩える場として健全で秩序ある利用が望まれております。
河川敷の迷惑行為に対しましては人のモラルの問題ではありますが、必要に応じて国に対して迷惑防止の啓発活動等要望してまいりますのでよろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

(質問2回目)
 ただいまの答弁で必要に応じてとありましたが、現在これは大きな問題となっているのですよ?
住民の方は精一杯出来る事をやっているのに行政は応えてくれない、だから警察を頼るしかない、しかし警察も取り締まる術が無く困っているのです。
 この辺はきちんと認識して頂かないと解決にはなりません。まず当局にお願いしたいのは、現状を把握して、どんな対策が必要でかつ行政に出来る事はなにか明らかにして頂く事であり、それが結果として住民の皆さんの不安にきちんと応える事になります。
 具体的には、法的裏づけを持って取り締まれるために宇治市迷惑条例をつくるなり、京都府迷惑条例の一部改正を府に要請するとか方法はあると思います。このことについての見解をお尋ねいたします。
 
 

3.改正建築基準法の影響について
  一昨年の11月に発覚した構造計算書偽装事件のような問題を二度と起こさないよう、昨年の通常国会において「建築確認・検査の厳格化」を大きな柱とする建築基準法等の一部改正が行われ、本年6月20日から施行されています。
  その結果、近畿ではビルやマンションの新規建設が激減しています。耐震性の書類審査が厳しくなったうえに、密集地に建つ新規物件が多いという近畿特有の都 市部特有の事情も有りますが、日経新聞9月5日の記事によると、近畿2府4県すべての建築物の新規着工は、例年に比べほぼ半減の状態になっています。さら に耐震性の審査が厳格化された3号もの、つまりビルやマンション、三階建て木造住宅に限れば新規物件はさらに激減し、6月20日から9月4日までの2ヵ月 半で建築確認の手続きを終えた物件は8件に留まったとあります。
 これは審査機関側が当初想定していた1ヶ月あたり平均件数700件をはるかに下回っています。
 「まじめな人はこれまでどおりに」という改正の趣旨がまったく守られておらず、まじめな人に必要以上に負荷をかけている結果になっています。このしわ寄せは損害額として建築主やマンションであれば購入者そして設計事務所、建設業者と関係者全員に及んでいます。
 この状況に対し、本市だけでなく行政や関連業界は「制度改正は建築物の強度偽装を根絶し、消費者らの信頼を取り戻すためのもので、改悪ではない」との見方で一致しています。
 しかし建築確認申請業務(社)日本建築構造技術者協会をはじめ、多くの関係団体からこの問題解決に向けて要望が出ているのも事実です。
 
◇ 問題点を整理しますと
《建築業界に対する影響》
@確認申請ができない
A確認申請の法適合に至るまでの時間が読めない
B構造計算が出来ない
C建築基準法のすべてに関して適法化するのが困難である
D工事途中の変更が困難であるため建築の質の低下を招く
E裁判訴訟の増加を招く
F書類の増大により余計な手間とコストがかかる
《消費者・建築主に対する影響》
@周知の不徹底・・・国から建築主だけなく、地方自治体ならびに民間検査機構への周知も不足しています
A経費増はすべて建築主への負担増
B事業計画が出来ない
《社会的影響》としては
@伝統的構法木造では建たなくなる
A性能表示が義務づけされ自然素材が使いにくく、住宅の画一化が進む、地域性ある木造住宅は建たなくなる
B守れない法律は結局、違法建築を増加させる
C確認申請件数の激減が日本経済の停滞を招いている

そこで、
(質問1回目)
1.6月20日改正建築基準法施行以降、本市で把握している審査の停滞状況、並びに従来は判断していたことであっても改正法施行以後、判断を拒否していることはないか?
2.着工後の計画変更の取り扱いについて社会への周知が十分でないが、本市の対応はいかがでしょうか?
3.申請業務の厳格化は理解したとして、その後の違反行為の摘発にはどのような体制をとっているのか?
 お尋ねいたします。
 
 
(質問1回目の答弁)
 ・・・・・・・・・・
 
(質問2回目)
  この改正建築基準法については、8月27日に国土交通省の小川審議官が「法改正の周知の不徹底について深く反省している」と謝罪しましたが、担当課長は、 改正内容について関係者が習熟していないこと、行政事例が蓄積していないなどを理由に、自らの非は棚に上げ、「単なる建築士や行政の認識不足」と国民に 誤った印象を植えつけるような報道発表を行っています。官僚の体質とはいえ憤りを通り越し呆れてしまいます。
 
 また、ただいまの答弁を 聞く範囲では、本市の対応は非常に良心的といった印象を持ちました、しかしこの法改正への認知度は低いままで建築主に負担増を説明しても理解してもらえな いケースをいまだによく聞きます。当局には、現場を知らない国の担当官に成り変り、法改正の意義と費用負担増の周知徹底をお願いしたいと思います。
 
 最後に、民間の確認検査機関は「建築確認・検査の厳格化」に対応するため構造審査官を京都市に集中させており、周辺部の支店は人手不足で閉鎖に追い込まれているところが増えています。
  宇治市でもそのあおりを受け、建築指導課には建築確認申請だけでなく、事前相談も数多く寄せられ想像を絶するような仕事量をこなしていると聞きます。人事 課もこの現状を理解してしかるべき対応をとって頂かないと最終的には市民に迷惑が掛かります。人材補強を強く要望してこの質問は終わります。