12月定例会 一般質問

 2006年度12月定例会における一般質問を通告の順に行います。



 1.行政サービスについて
 この度、民主党・宇治市会議員団として「マニフェスト・宇治」を作成いたしまし
た。その中でのキーワードは、「対話」であり、「対話」により従来の発想からの転換、
つまり行政サービスにおいても今本当に必要なサービスとは何か、再構築していく事
を約束したものです。
 また、ご覧になった方も多いと思いますが、日経新聞が全国の自治体から2年ごと
に行政サービスについてのアンケート調査を実施し過日新聞紙上でも一部公表されて
いました。その中の行政サービスの質を計る指標として「公共料金」、「高齢者福祉」、
「子育て環境」、「教育」、「住宅・インフラ」等の分野で、比較項目を設定し定量的に
算出することにより自治体間の比較を行なっています。
 その結果の「行政サービス度ランキング」を踏まえ質問を行います。

@行政サービスの必要性について
 行政サービスの必要性を論じる前提として、公開の場で、今行なわれている自治
体の事業を、自治体職員と住民や外部参加者(他自治体の有志職員、経営者、NP
O等)が本気で議論しながら、その自治体の仕事がそもそも必要なのかどうか、必
要だとしてだれが行うべきか等について、個々具体的に評価していく「事業仕分け」
を実施することが望ましいと考えています。

 この「事業仕分け」は高く評価され、本年5月に成立した行政改革推進法にも
盛り込まれていますが、官僚と与党族議員の抵抗で未だに実現には至っておりませ
ん。

 宇治市議会では、過日国に対し早急に取組むよう意見書を出す動きもありました
が、足元たる本市で「事業仕分け」が出来ていない状況では、国に対し言う資格は
無く、国が実施した場合その結果に従うしかありません。これでは2004年4月に
施行された地方分権一括法で国の「機関委任事務制度」が撤廃された意義がありま
せん。   

 本市においては、行政サービスの必要性の前提となる、第二次宇治市職員定員管
理計画に伴い行われる「事務事業棚卸し」なる手法で事務事業の見直し中と聞いて
いますが、官僚ともいえる市職員の手で、しかも閉鎖的な手法で行なわれています、
それでは市民のコンセンサスを得るどころか、いろんな意味で不信を抱かす事に繋
がります。
 
【質問1回目】
 第二次宇治市職員定員管理計画の公表及び実施時期については、過去、多くの
議員が質問してきました。当局におかれては、誠意努力されているとは思います
が、状況は見えてきません、再度、進捗状況をお尋ねいたします。
さらに、その結果を踏まえ、現在行なわれている行政サービスを、直営、或い  
は民間委託等に仕分けされると思います、その際の基準はどこにあるのか、お尋
ねいたします。

【質問2回目】
 答弁を聞いて、今回も本音が聞けなかったか、というのが率直な感想です。
にも関わらず何故この質問を繰り返すのかというと、行政サービスはいったん
実践されたら最後、よほどのことが無い限り形式的な見直しは行われても、止め
ることは極めて難しいという印象を持っています。 
また、直営か否かの判断基準についてですが、示された内容は概念についてで
あり、そのことについて異論ありません。

 判断基準や公表時期については明言されませんでしたが、確か本年度中に公表
ということを聞いた記憶があります。今のこの時期で明言されないという事は遅
れているのでしょうか?違うのであれば否定してくださったら結構ですが、なけ
ればそのように思っておきます。それはそれで問題ですが・・・
 しかし、当初説明を受けた時より、当局の作業量が増えているように感じます、
答弁であったように、細かい事業まで全て検証する必要があるのか疑問です。
「木を見て森を見ない」ということにならないよう、このことは指摘しておき
ます。


A行政サービスの市民満足度と他市との比較について

【質問1回目】

 冒頭に日経新聞の「行政サービス度ランキング」を踏まえ質問を行なうと申し
ましたが、これは全国779市・23区に調査依頼し、回答があった764市区を対
象に行政比較したものです。
調査結果を見ると、本市の総合評価ランキングは395位となっています。前回
2004年の第4回調査では483位でしたからランキングそのものは上がっていま
すが、総合得点は139.5点になっており、前回の143.0点から3.5点下がってい
ます。ちなみに、総合得点の満点は300点で平均値は140.7点です。
もちろんこの調査結果で行政間の行政サービスの優劣が全て判断できるもので
はありません。
 大事なことは、「行政サービス」に市民が満足しているか否かであります。
そこでお伺いいたしますが、実施された施策の検証は行われているのか、またそ
の際、判断基準となる市民満足度や費用対効果はどのような基準で把握し判断され
ているのかお尋ねいたします。

【質問2回目】
 主張される宇治市政策評価システムが、果たしてどれほど機能して実効性がある
のか正直良く分かりません。
何故か?・・・私だけかも知れませんが分かりにくいからです。
分かりにくいシステムでは市民理解を得ることは出来ません。
この件については、私自身今後の課題といたしますが、会計制度も大きく変わろ
うとしています。
 行政のムダをなくすには、不要な行政サービスをやめると同時に、引き続き行う
サービスについても、どれくらいのコストがかかっているのかを知る必要がありま
す。多大な労力を掛け苦労して作成されている本市の今の行政コスト表ではありま
すが、残念ながら、この表からは何も見えてきません、少なくとも主たる事業ごと
の行政コストの作成が必要です、このことは指摘し強く要望いたします。
また、サービス水準と財政状況の関係ですが、「高サービス・財政良好」、「低サ
ービス・財政良好」、「高サービス・財政悪化」、「低サービス・財政悪化」に分類し
た場合、本市のサービス水準は平均点以下ですので「低サービス・財政良好」か
「低サービス・財政悪化」のグループに分類できます。
しかし今後の厳しい財政状況を考えると、総花的に行政サービスの水準を高めてい
くことは現実的ではありません。市長におかれましては、宇治市に合った行政サービ
スに重点を絞り、対話によって市民理解を得られ市民満足度を高めていかれる事を強
く要望してこの項も質問を終わります。


2.宇治市都市計画マスタープラン(地域別構想)六地蔵地域について

@醍醐プラザホテル撤退後のまちづくりについて

 本市の都市計画マスタープランによると、六地蔵地域は本市の「北の玄関口」
として位置づけられ、宇治らしい文化、商業のまちエリアとされています。
 過日、地方紙に、宇治市民から長年親しまれてきた本市唯一のコンベンション
施設を持つシティホテルである、醍醐プラザホテルの廃業が報じられました。
9月定例会でも他の議員から今後の六地蔵地域のまちづくりのあり方について
質問がなされ、本市は当事者では無いため、その関与については限界があること、
 また今日の厳しい財政状況では必要性はあっても多額の先行投資に市民理解を得
る事は困難である旨の答弁がありました。
 しかし、六地蔵地域はもとより宇治市全域からコンベンション施設利用の需要
は多く、特に地域の学区福祉委員会をはじめ公的利用も多かっただけに、多方面
に渡り廃業の影響が懸念されています。
また、「JR六地蔵駅周辺地区整備計画」においてJR六地蔵駅南側の整備は終
わりましたが、本来主たる顔となるべき府道側の整備は進んでおらず、今回民間
主導で再開発が進むと、市の意向が反映される可能性は極めて低くなると予測さ
れます。

【質問1回目】
 現時点においてホテル廃業後の跡地利用について本市で把握させている情報を
お示し下さい。
 また、民間ベースの開発事業は官主体の事業と異なり事業化のスピードが違い
ます。既にビジネスチャンスと捕らえ、様々な事業者が動き出しているとの噂も
聞きます。
 本件において、この時期、行政が積極的に発言あるいはアクションを起こすこ
とは非常にリスキーだと承知していますが、今は、六地蔵地域を整備する「せんざい千載
いちぐう一隅」、いや最初で最後のチャンスであります。
そこでお伺いいたしますが、行政サービスコーナーやコンベンション機能、あ
るいは文化施設の為のスペースを、市として借りる用意がある旨を公表すること
も必要ではないかと思います、当局のご見解をお尋ねいたします。 

【質問2回目】
 事業者に市のまちづくりについての意向を十分伝え、関係者と十分協議調整を
図る旨の答弁がありましたので一定の理解はいたします。しかし、ある種の担保
を行なう事により当事者として関わる事が可能となります。この事の検討も強く
要望してこの項の質問は終わります。


3.福祉行政について

@高齢者・児童虐待について
 過日12月1日、私ども民主党府連第6区総支部主催では「児童虐待・高齢者
虐待を考える」をテーマに、市民フォーラムを開催し、現場で虐待防止にご尽力
されている方々のご意見を聞きました。また、その際頂いた市民の皆様からのご
要望やご意見も参考にして今回の質問を行います。
  
【質問1回目】
 まず高齢者虐待について、高齢者虐待防止法が施行された経緯についてはご案内
の通りでありますが、法の目指すものは、安全・安心で快適な地域づくりであり、
認知症ケアの確立、コミュニティの体制づくりです。法には3年後の見直しを謳っ
てありますが、施行後、国民の共通理解のための啓発がどこまで進んだのか疑問を
感じています。
 2003年度に実施された「家庭内における高齢者虐待に関する調査」によると、虐
待の複合化と深刻化が明らかになっています。
特に、虐待は家庭だけでなく養介護施設・養介護事業所でも行われており、虐待
により死にいたるケースも数多く報告されています。

 高齢者虐待だけでなく児童虐待についても、『虐待の最大の予防は、早期発見と早
期対応が重要です』
 高齢者虐待の発見は、ケアマネージャーに期待する部分が大きくなりますが、それ
以外にも養護者自身や家族・関係者が気楽に届出や相談できる窓口が必要です。本市
にも設けてあると思いますが、それらが分かりやすく表示されているのか、また、担
当者はどのような資格をお持ちの方なのかお尋ねいたします。

 次に児童虐待について、先の決算委員会でも質問しましたが、関係機関の連携が必
要だと認識され、府下でもっとも早く「児童虐待防止ネットワーク会議」を立ち上げ
られ点は高く評価しております。
しかし任意設置のままで、年に2回程度の会議でしっかりした連携がとれているの
か疑問です。今後、より実効性を伴った法的な協議会に再構築する予定はあるのか、
あるとすればその時期はいつなのか、お尋ねいたします。

【質問2回目】
 高齢者虐待について、虐待の最大の予防が、早期発見・早期対応と認識されている
はずなのに、お役所的発想で少し残念です。「高齢者虐待の相談窓口」という表示をせ
ずに所在地のPRだけを行い、虐待防止になんの効果を見出しているのか全く理解出
来ません、虐待されている場合を想像してみて下さい、どこでだれに助けを訴えます
か?、そうお金が掛かることでもありません、このことは予防にも繋がることです、
一日も早く目に付くところに表示をして頂く事を強く要望いたします。

 次に児童虐待についてですが、児童虐待防止法はもともと超党派で法律が出来、改
正作業も超党派の枠組みで行なわれました。しかし法律は出来たのに現場の人員配置
など改善は遅れています。そのような状況下で起きたのが長岡京市の事件です、この
事を教訓に、本市に出来るのことのひとつが一日も早く法定協議会に移行させる事で
す、このことは強く要望いたします。
 また、早期発見の施策として有効な手段として注目されているのが、歯科医師によ
る口の中の状態からネグレクト(養育放棄)を発見する取り組みです。既に東京都や
三重県などでは始まっています。本市でも歯科医師会等の関係機関と連携を取り、早
期発見に努めて頂くことを要望いたします。
  

A障害者自立支援法について
 障害者自立支援法が今年4月から一部施行され、さらに10月から全面施行とな
りました。
 この法律は施設暮らしから地域生活への移行も大きな柱の一つとしていますが、
国の財政難による自己負担の増額、サービス単価の減額など、自立するなと言うに
等しく、国の行なっていることは矛盾だらけであります。
 これまで政府与党は、障害者自立支援法の審議をすればまともに答弁が出来ない
といことで、2ヶ月間避けていました。しかし、今回1200億円の補正予算を障害者
福祉につける方針を固めたため、得意の「やらせ質問」を与党議員が行い、厚生労
働大臣から前向き答弁を引き出しました。つまり「与党が障害者自立支援法を改善
した」というすり替えが行なわれたわけです。しかしこれでは、本質的問題解決に
はなっていません。

【質問1回目】
 4会派で提出いたしました、市長への要望書に関する質問は他の議員への答弁で
触れられたので省略いたしますが、障害者自立支援法は、相談事業も市町村事業と
位置付けしています。市当村の規模、財政力、福祉施策等の違いにより、国が重要
だと主張するこの市町村相談事業も地域格差の対象になっています。
では、本市においては法の趣旨に沿った相談業務が行われているのか、その実態
と、具体的にどのような体制・対応をとられているのか、お尋ねいたします。


【質問2回目】
 地域福祉の実現には、地域に密着した相談機能が必要だと言われており、官僚が
机上での作った制度を遵守するだけでは、現場はうまくいかないことはこの障害者
自立支援法の完全施行結果を見ても明らかであります。
本市においても窓口で大変な数の相談を受けられ、どうする事も出来ず一緒に困
っておられる様子を頻繁に目にすます。
この天下の悪法『障害者自立支援法』、別名『障害者自立阻害法』ですが、国のツ
ケを支払わされている市長としては、不本意でしょうが、現実にお困りの方の声が
数多く届いていると思います。その中でも、私が重大な問題だと捉えているのが、
サービス利用を自制している方の増大です。
 特に、子ども達の問題は切実です。今までも養護施設における待機児童の多さが
問題であったのに、さらに自制が進み、施設としても経営面だけでなく、今までの
取り組みを否定されたと嘆いておられます。また、教育現場でも問題となっている、
軽度の発達障害が疑われる子どもは6%とも20%とも言われています。しかし、
幼児期に専門的な教育を受けることにより、成長する子どもも沢山います。
 障害者自立支援法はそのような実績さえ否定しています。市長におかれましては
障がい者の皆さまの声に応えて頂き、今まで以上にご配慮いただくようお願いいた
します。



4.教育行政について

【質問1回目】

@教育基本法改正について
 現行の教育基本法、全11条から改正案では全18条に7条増えています。
中身について、多くの問題点が指摘されていますが、その中でも私が問題であると
考えているのは、国が地方をコントロールすることの意志が明確に書かれている、
第17条部分です。
 
 ◇第十七条(教育振興基本計画)
  政府は、教育の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、教育
 の振興に関する施策についての基本的な方針及び講ずべき施策その他必要な事
 項について、基本的な計画を定め、これを国会に報告するとともに、公表しなけ
 ればならない。
  2 地方公共団体は、前項の計画をさんしゃく参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公
 共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努
 めなければならない

 つまり、文科省に全ての権限、「教育計画」形成権と「計画実施」権を与えるも
のとなっています。しかも国会は報告されるだけであり、国民は「公表」しても
らうだけです。これはまさしく前文と矛盾しており、個人の尊厳尊重・地方分権
と逆行する内容になっています。この教育基本法改正案についての、教育長のご
見解をお尋ねいたします。

【質問2回目】
 教育長からは、文科省が歓びそうな模範的なご見解がありましたが、これまでの
経緯を見ると、文科省は、教育基本法の改正に当初消極的でした。
 しかし、この教育振興基本計画を盛り込む事が決まり、省の権益と党勢拡大が明
かになった為、改正推進派に転じています。このような教育の本質を見失った教育
基本法改正については、断固とした反対の声を挙げて頂くよう強く要望いたします。

A安全・安心な学校づくりについて

(1)緊急通報装置の設置に向けて
【質問1回目】
 宇治小事件以来、各団体が要望してきた緊急通報装置が、過日の新聞報道によ
ると来年度設置する旨の記事がありましたが、事実か否か説明して頂くようお願
いいたします。

【質問2回目】
 早期設置に向け予算折衝中と理解いたしました。
後は市長のご決断次第だと思います。是非とも予算化して頂きますよう強く要望
いたします。  
 尚、先ほどの答弁で、市としては公表した事実は無いと申されましたが、被害
者の名誉のために申しておきます。被害者のご家族は、調停中に一切コメントし
ない、最後の調停後、弁護士から発表すると当初から明言されていますし、その
通り実行されている事を申し伝えておきます。

(2)耐震補強について・・・(教育施設に限定した質問)
 改正耐震改修促進法が2006年1月施行されています。
この法律は私が述べるまでもなく、昨今の地震発生と迫りくる東海、東南海地
震等の大地震に対して、もっと耐震診断・耐震改修のスピードを上げる必要があ
るとの判断のもとに改正されたものであります。
改正の注目すべき点は、建築物の耐震改修を促進するにあたり、国や都道府県、
市町村が期限付きの目標を定めて必要な施策を行う、その義務を課したことと、
その為に必要な強権権限を行政に付与したものであります。

【質問1回目】
 府の耐震改修促進計画の策定状況、およびそれを受けて策定すべき本市の耐震
改修促進計画の策定状況についてお尋ねいたします。
次に、本市においても、官・民所有の建築物に耐震改修の努力義務が求められ
ていますが、本市の教育施設の耐震改修を早急に実施すべきと考えますが、市教
委のご見解をお尋ねいたします。
 
【質問2回目】
 市教委のお考えは分かりました、予算措置が最大のネックとなっていることも
理解しております。
 しかし教育施設の耐震化が、遅々として進まないのはそれだけの理由では無く、
本市の建築物の耐震化への取り組みが一元化されていないことにあると考えてい
ます。つまり一元化して市長部局で取組むべきであります。
 日時常に多数の子ども達が集まり、かつ地域の防災拠点にもなる教育施設の耐
震化は優先的に取組むべき課題ではありますが、住宅の耐震化の取り組みも同じ
ように重要です。そこで提案ですが、市教委の建築部門と市長部局の建築部門を
統合して、一緒に取組んではいかがでしょうか?
 今の状況ではどちらも弱体化していくばかりです。是非前向きにご検討いただ
くようお願いいたします。


Bイジメ問題について
 程度の差は有るでしょうが、私達が生きていく上で、生涯避けて通ることが出来
ないことの一つがイジメなのかも知れません。しかし問題解決に向け、関係者間で
絶対に共通認識しておかなければならない点は、「被害者には一切の責任が無い」と
いうことです。

【質問1回目】
 被害者・加害者の人権、そして双方の心のケアについてどう対処しておられるの
か、また予防策についてどのような対策が適切だとお考え実施されているのかお尋
ねいたします。
 さらに、学校現場において教師の責務は重大です、イジメ問題と教師の関係につ
いて、イジメに教師が加担している或いは教師の何気ない一言が発端になったとい
う調査結果があります。イジメ問題に対する教師への教育・指導についてはどのよ
うに行われているのか、お尋ねいたします。

【質問2回目】
 考えられる対応は全て行なっている旨のご答弁だったと理解いたしましたが、は
たしてそうか?という疑問を持ちました。
        
 平成12年3月・当時大阪市立大の教授だった森田洋司先生を中心に「いじめ防
止法の開発とそのマニュアル化に関する研究」がまとめられています。その中のイ
ジメ問題と教師という節に、子ども達はいろんなことを教師に相談しないというこ
とは問題ではない。これまでの一連の状況を見ると、教師自身がイジメを誘発する
ような環境をつくっているとしかいいようがない。これでは、「人権学習」をいくら
やってもまったく意味はない。とのくだりがあります。
 また、教師の言動がイジメに関係していると思うこと、という調査項目に対し、
大いに関係している・少しは関係していると答えた、小学校教師は87.7%、中学校
教師は72.9%です。
 さらに、イジメがあったことを知らなくては話になりませんが、調査したクラス
の9割以上で1件以上のイジメ加害者が存在したが、担任がクラスで発生したイジ
メを認知している割合は約6割、しかし加害者の保護者では9割が子どものイジメ
に気づいていないとあります。
 つまり、学校や教師が問題を抱え込んで解決する時代ではないと言う事を認識し
て頂き、実態を保護者に公開し、本当の意味で開かれた学校づくりに取組んでいた
だくことを強く要望いたします。
 ちなみに、ノルウェーはイジメを克服した国とも言われています、そのヒントの
一つが「学校仲裁所制度」です。これは世界各国にあるようです。揉め事の仲裁員
は、もちろん子どもですが、「相手のことを理解するように努力する」というルール
で当事者同士が話し合いを行なうものです。その間大人は一切関与しません、子ど
も自身が問題解決する力を育てていくシステムになっています。この事もご検討し
ていただく事を要望いたします。

C市教委の体制について
 家庭力や地域力の低下、そしてイジメや虐待など社会的に問題になっている事象
解決や学力向上など市教委に負わされた責務は想像以上に年々重く過酷になって
います。これらの責務に、定期的に移動を繰り返す一般事務職で対応が出来るのか
非常に気がかりです。 

【質問1回目】
 教育現場で起こる問題の解決には、学校現場と市教委の連携が不可欠であります
が、現場の声を市教委は理解できていないのではないかと思うことが往々にしてあ
ります。
 教育は、担当になったものがマニュアルに従い、一生懸命頑張れば達成できるも
のではなく、専門家としての見識と研鑽が不可欠です。  
しかし今の市教委の体制で、多様化かつ高度化したニーズに応えていけるのか疑
問です。そこで伺いますが、教育現場と市教委との意思疎通を図るためにも市教委
への現役教師の増員等、市教委の体制見直しおよび強化は急務であると考えますが、
市教委のお考えをお尋ねいたします。

 さらに、学校長は特に多くの責任を負わされていますが、それに見合った権限が
付与されているのか疑問です、学校長の意見を聞き、その意見を施策として反映で
きるシステムになっているのか、お尋ねいたします。

 また、アメリカのような訴訟社会が現実のものなっており、「開かれた学校づく
り」の掛け声はいいとして、場合によっては行き過ぎた保護者や地域の声から学校
現場を守りサポートする必要も出てきています、市教委の支援それも法的(弁護士)
バックアップについて、どのように対応されているのかお尋ねいたします。
   

【質問2回目】
 「開かれた学校」づくりを提唱し今後も推進していくお考えであれば、管理職以外
の教職員の参加を積極的に進めなければ絵に描いた餅に終わります。
安全・安心のまちづくりを始め、学校現場には、保護者や地域との関わりを重視す
る施策や行事が数多くあります、それらに対応しているのは殆どの場合、数少ない管
理職です。
 このことについて市教委はどう考えているのか、などと質問はしません、十分認識
されているはずです。
ただ厳しく指摘しておきますが、今の市教委の体制についての答弁で、「行政の専門
家である事務職や技術職の職員とがそれぞれの専門性を総合することによって生まれ
る相乗効果で・・・、バランスよく職員を配置することが重要であると考えている」、
とありましたが、その結果が機能していないと感じているから質問したのです。
 ドラマの台詞ではありませんが、「事件は現場で起こっています」
また、ちょっとした法的なことを気楽に・或いは相談できる体制になっているので
すか?市の顧問弁護士に聞けますか?出来ていないと思います。
結局、学校現場に負担を押し付けている構図です。今回の私の質問に対する答弁も
現場から声を聞いた訳でも無く、事務職の職員が机上で作ったものだと思います。

 我々民主党は教育委員会廃止を主張していますが、現行法では適いません。
今一度、教育委員会の存在意義が示せるような体制づくりに取組んで頂くことを強
く要望して、質問を終わります。