市民環境常任委員会 行政視察       

■ 日  程      
    平成16年5月24日(月)〜5月26日(水)

■ 視察先及び視察内容
    5月24日(月)    【福島県会津若松市】
        男女共同参画推進条例について
        観光行政について

    5月25日(火)    【栃木県宇都宮市】
        観光コンベンション協会について

    5月26日(水)    【埼玉県本庄市】
        早稲田リサーチパークについて

■ 総  括

    " あらゆる分野で東京一極集中化しており、地方は同じ様な悩みを抱えているという事が分かりました。
しかし、行政主導の地域復興では本能的にリスクを避け、成功事例に倣い過ぎる為、個性と魅力に欠けた街づくりになる恐れがあります。 
 その中で興味深かったのは、宇都宮市の観光施策です。
歴史的あるいは自然環境的遺産が少ないハンデを市民が主体になって知恵を出し合い、試行錯誤の結果、魅力・活力溢れる街づくりが出来ていました。 
 早稲田リサーチパークについても同じ事がいえます。産学官連携といっていますが、あくまでも産と学が主役であり、官の役割をおのずと限定しています。
 極端な言い方をすると、金は出すが、口は出さない。 
 
行政の有り方、役目を考えさせられた行政視察でした。


2004年5月24日(月)
◆会津若松市      
    人口:116,078人(平成16年4月1日現在)  
    市政施行:明治32年4月1日  
 

     歴史的には、蒲生氏郷が鶴ヶ城を改修した頃より、町割りを整備して若松と改称  
    幕藩体制が固められ会津藩が確立、明治維新後(白虎隊は余りにも有名)  
    明治32年に若松市として市制施行  
    産業は、漆器、酒造の伝統産業に加え、大手コンピューター企業が進出  
    産学官の研究・開発協力などの新時代対応の中核都市となっている。  

  1.男女共同参画社会づくりについて      
    昭和60年    「会津若松婦人行動」を策定
    平成7年    「パートナーシップ21」策定
    平成10年〜11年    男女共同参画セミナー開催
    平成11年    「男女共同参画都市の宣言をめざす実行委員会」設立準備会発足
    平成11年    「男女共同参画都市の宣言をめざす実行委員会」設立総会
    平成15年    議員提案により「会津若松市男女共同参画推進条例」が提出され、
        全会一致で可決
    平成16年4月    施行

◇条例の概要  
    @男女共同参画を推進するため、6つの基本理念を定める  
    A市・市民及び事業者の責務を明らかにする  
    B教育の場と雇用の分野において男女共同参画の推進  
    C性別を理由とする差別的な行為、間接差別の禁止についても明記  
    D市が実施する男女共同参画の推進に関する施策もしくは  
       人権が侵害されることについての苦情申出機関の設置  
    E男女共同参画審議会を設置し、委員の構成を男女同数とする  

◇推進体制
    @会津若松市男女共同参画審議会(委員10名)
    A会津若松市男女共同参画苦情処理委員会(委員3名)
    B男女共同参画推進活動のネットワーク(女性団体)
    C男女共同参画行政連絡会議(企画副参事レベル)
    D男女共同参画推進員(職員53名)

◇具体的施策
    @男女共同参画週間事業
    A啓発パンフレット作成
    B各種講座、出前講座
    C女性の人材リスト登録事業
    D優良企業表彰

  2.観光振興について  
◇会津若松フイルムコミッションについて
    @平成14年5月24日 設立  
    A会員構成 : 普通会員11機関  特別会員5機関  
    B事業内容  
        ロケーションに関する相談
        メディアのトレンドやニーズに対応した情報収集と提供
        撮影や取材に関する許可申請や連絡調整
        エキストラの募集、斡旋
        ロケ周辺地域への事前告知及びロケ時の調整、安全対策
    C平成15年度のロケ実績  
        65回(ドラマ、CM、映画、旅番組、地域情報番組等)

◇まちなか周遊バス等について  
    @平成13年7月1日 運行開始(平成15年増車)  
    A料金 : 1回200円、1日フリー500円  
    B運行回数 : 7時30分 〜 17時  1時間 1本  
    Cバス会社に運行委託、冬場は観光客より市民の利用が多い  
       市民の移動手段として増便の要望有り


2004 年5月25日(火)          
◆宇都宮市
    人口:449,687人(平成16年4月1日現在)      
    市政施行:明治29年4月1日      
 

    宇都宮市は、ジャズ、カクテル、餃子の3つを柱に観光客誘致を推進      
     ジャズ :    世界的に有名なジャズミュージシャン渡辺貞夫の故郷  
     カクテル:    国内・海外のコンクールで優勝したバーテンダーが15人、日本一多い  
     餃 子 :    総務庁調査によると、餃子の消費額日本一  

  1.観光コンベンション協会について          
     宇都宮観光協会と宇都宮コンベンションビューローが一体化し、観光とコンベンション事業      
    の一体的推進を目指している      

◇事業内容      
    @誘致宣伝事業      
      観光リーフレット、コンベンション用市内マップ、機関紙作成等
    A観光推進事業
      観光イベント、観光案内所運営等
    Bコンベンション推進事業
      誘致セールス、PR用メモ作成等
    C会員活動の活性化事業
      「おもてなし日本一のまち・宇都宮」の今後の検討等

◇事業効果
    平成15年度のコンベンション開催件数 142件
    誘致客数 31万6670人、一人あたり単価 2万6千円として試算
    316,670×26,000=82億3342万円


2004 年5月26日(水)  
◆本庄市
    人口:60,984人(平成16年4月1日現在)
    市政施行:昭和29年7月1日

     本庄市は中山道最大の宿場町として栄え、繭(まゆ)や農産物の集積地として商業が発展
    現在、科学・電気・機械工業等の進出で産業構造が大きく変化
    首都近郊の中核都市
  

  1.早稲田リサーチパークについて  
◇インキュベーション・オン・キャンパス早稲田について
     地域振興整備公団が、産学連携、大学と連携した創業支援の創出を目指した
    インキュベーション施設で平成15年8月完成
 
本庄市早稲田リサーチパーク外観

@施設概要
    ・X棟    ベンチャー10室
    ・A 棟    早稲田大学国際情報通信研究科と企業の共同研究
    ・B 棟    環境系大学院と企業の共同研究
    ・共用    相談室・自販機コーナー・応接室・ロビー
 
  リサーチパーク受付ロビー         リサーチパーク受付ロビー2

A入居企業等  
    地元企業は3社入居  
 
  リサーチパーク2F共有ロビー     リサーチパーク2F各企業の部屋

B企業への支援  
    入居9社に対して5人のインキュベーションマネージャーの配置  
      
  2.企業支援について      

@起業家支援  
    ベンチャー育成のため、研究開発、市場開拓等の事業に助成  
    100万円(上限)/年  
    選定方法はプレゼンテーション方式
    実績 : 6件

A研究活動への助成
    新技術や新製品に関する高度な研究会活動に対して助成
    年間30万円程度(5年間が限度)
    選考方式はプレゼンテーション方式