宇治の名物「宇治丸」

古来より、宇治川で捕れたうなぎは太くて丸かったのでしょうか、美味で珍重されました。製法は定かではないですが、鰻鮨 (うなぎずし) として調理されました。鰻鮓の別称は「宇治丸」と呼ばれていました。樽詰めされて、地方各地に配送されていたようです。
宇治茶、宇治川の名水、茶懐石の宇治丸 の お茶会

 時は今より440年もの昔…永禄8年(1565)正月、夕聞山(奈良市)において戦国武将の松永弾正久秀が千利休らを招いて開いた茶会には、宇治茶は勿論のこと、宇治橋三ノ間の名水も運ばれました。そして「宇治丸」は、茶懐石の向付になっていました。宇治川のうなぎは宇治の特産品の一つだったのです。『松屋会記』